唯一無二の花嫁。3【キングダム】

136.翻弄されるのは貴方。2 ページ38

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「あっ…いい…っ…、」

「ねぇ……こっちも…。」

「ズルい、貴女ばっかり！」


寝台から少し離れた位置で立たされている私。目の前で行われている行為を、そこで見ていろと言われ、見ているわけだけど……。

どうにも目のやり場に困る。

見ないように逸らしたところで、耳にはしっかり聞こえてきて。甘ったるい声で体に触れてと欲求したり、部屋に響くリップ音。一定のリズムでギシギシと寝台が揺れれば甲高い嬌声。

……桓騎将軍一人に五人の女性。
どれだけの女性相手にしてるんですか！


「将軍様、あの子には刺激が強いんじゃなくて？」

「フフッ。彼女どう見ても子供ですもんね」

「どうしてここに呼んだんですか？」


顔を上げれば私を見てクスクスと笑っている美女達。美しい裸体を隠す素振りも見せずに、桓騎将軍の体にまとわりついている。服を着てる私の方がこの場にいるのが相応しくないみたいに思えてしまう。


「ただの気まぐれ。男に抱かれるのがどんなモノか見せてやろう、」

「大きなお世話です！」

「フッ…。お前もそれなりの年なら、興味あるんじゃねェかと思ったんだが…。その様子ならまだなんだろ？」

「まだとか、バカにしないでください！」


付いて来いと言われたテントの中で肌を重ねている濡れ場を見せられ、子供とか経験はまだとか見た目で判断されてバカにされた。こっちは翻弄してみろと言われどうすればいいかわからず悩んでいると言うのに。

女性に困っていないなら、私を早く父上の元に帰して欲しい。


「意外だな。何も知らない顔して男知ってるとか。見てるだけじゃつまんねーだろ。相手してやろうか？」

「結構です！！私、父上にしか興味ありませんから！」


大声で叫び痛む足を引きずってテントを後にした。

失礼な態度をとって後でどんな咎めに合うか。
今さら後悔しても遅い。


「父上…。」


今頃、家出同然で屋敷を飛び出して行った私を探してくれていると思うと、勝手な事をしてしまった事を深く反省した。

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