306.十五日目。8 蒙恬side ページ18
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俺にとっての父上は、とても大きな存在だった。蒙武と名を聞けば戦場の敵兵は震え上がり、戦意を喪失するほど。一度進軍すれば勢いを止める事は出来ず、敵を殲滅するまで戦いは終わらない。そんな偉大な父上を持つ俺に、周囲の期待は大きい。その期待の重圧が重荷になって、反発するように遊びにふけった。
教育係のじィは俺がフラフラした態度で真面目さにかけるから、いつも心配ばかりしていて。そんな姿を見ていても、父上は何も言わなかった。
俺に関心がないんだ…と勝手に思い、また遊びに興じる。武功を挙げてれば文句は言われないだろうと。蒙家の長男として似つかわしくない振る舞いだと周囲に言われても、父上は俺を規律に縛る事はなかった。
Aちゃんに出会ったのは、そんな時だった。王騎将軍の娘として父上と同じ戦場に立ち、武器を手に怯む事なく勇敢に立ち向かったと、父上と長く会話したのはAちゃんの話題。寡黙で口数も少ない父上が、どこか楽しそうに話しているようで。常に無愛想だからその変化に気づくのは父上と親しい俺や、配下の者だけだろう。
「蒙恬さん？」
「ごめん…父上の事考えてた」
「蒙武将軍のことですか…？」
「偉大な父親を持つと苦労するよね…。父親らしい事もしてくれた記憶ないし。こう、いつも怖い顔してて」
「口調や態度は厳しくても、私から見た蒙武将軍は強くて頼もしい存在ですよ」
まさかの年上好き？と不謹慎にも、父上とAちゃんの関係を疑った。
ないないとわかっていても、か弱く華奢なAちゃんを前にすると男は庇護欲を掻き立てられる。なにかと父上もAちゃんを気にかけてるし。
「俺、誰にもAちゃんを譲る気ない。もちろん父上だって例外じゃないから」
「え…、蒙武将軍も？」
「蒙恬様、楚軍に動きが！媧燐が蒙武様の戦場へっ…、」
配下の陸仙の声に媧燐軍へと視線を向けると、数騎駆けて行く騎馬の姿。目指す場所は父上のいる方角。
嫌な予感というものは意外と当たるもので、追いかけろと本能が告げる。単騎がけしようとする俺の後を、「私も行きます」とAちゃんが追いかけてきた。
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bluemoon(プロフ) - イルカさん» コメントありがとうございます。推しが同じ読者様に会えて嬉しいです。花嫁本編では王騎将軍の救済ルートを避けてしまったので、中編集で幸せになっていただきたいと思います。王騎将軍とのお話久しぶりに書く気がします。まずは花嫁8ですね。頑張ります！ (2020年12月27日 8時) (
レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
イルカ - 私は王騎将軍オシなのですっごく楽しみです！！シリーズ8も楽しみにしてます。 (2020年12月26日 23時) (レス) id: 4dcbd5d17d (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - ノンさん» テストお疲れ様でした。アニメ楽しみですね！どんな声優さんが演じてくれるのか、情報を解禁されるのもワクワクしますね。私ももう少しでお仕事が長いお休みに入るので、更新頑張ります！作品に遊びに来ていただいてありがとうございます。 (2020年12月21日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
ノン - 執筆活動お疲れ様です！！無事にテストが終わりゆっくりできる時間が出来たので小説を読みに来ました！これからの展開が楽しみです！春にはキングダムのアニメ3期も再開されるので今からキングダム熱を上げています笑笑 (2020年12月21日 17時) (レス) id: a804f7d386 (このIDを非表示/違反報告)
bluemoon(プロフ) - Tomoyoさん» お久しぶりです。三連休ですか、いいですね。明日から私はまた仕事です…。時間を見つけてこれから更新頑張りたいと思います！コメントありがとうございます。 (2020年11月22日 21時) (レス) id: 4f57fd01cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：bluemoon
| 作成日時：2020年6月20日 15時
