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hkside
in『この曲誰の曲だっけ?』
hk『ビートルズだよ。ビートルズのイエスタデイ。』
外は雨が降り続けてる。今日はやまないないらしい。
in『あ〜なるほど。
光ビートルズ好きだもんねぇ。』
いのちゃんはすっかり冷えたコーヒーをすすりながら外を見る。
俺が頼んだアイスレモネードも随分氷が溶けてしまった。
もう少し若かった頃は休日に遊んだりもしたけれど今はお互い何をしてるか知らない程。
雨は止む気配ないし、そもそもいのちゃんとふたりきりになることも全然なくて何していいかわかんなくなったから、とりあえず近くにあったそれっぽい喫茶店に入った。
hk『やまないね、雨。』
in『ね。まぁやまないことはないんだからさ、いいんじゃない?』
にやって笑ったあと、また冷めたコーヒーをすする。
天気の話をしているのに、なんだか見透かされた自分の心に言われてるような気がした。
俺と薮の間に何かあったのなんて、長年俺たちを見てきてるいのちゃんには明白だろう。
優しいんだかなんなんだか、いのちゃんはいつもこうして不器用な俺が話し出すのを待ってくれる。
hk『そういうとこだよね。』
in『相変わらず主語のないこと。』
hk『なんていうか…狡い。』
だからなんの話かわかんねーよ、なんてヘラヘラしてる。いつもの調子だ。
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hk『薮ってね、』
in『んー?』
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hk『薮って、なーんも知らないの。』
人の少ない店内に俺の声だけが響く。
hk『俺の好きなビートルズのことも、
薮が美味いって大げさに言う料理の作り方も、
俺が実は結構重い奴ってことも、
俺が…どんだけあいつのこと好きなのかも。』
いのちゃんは何を言う訳でもなく、雨空を見ながら静かに聞いてくれる。
hk『もっと素直になればいいのわかってる。もっと頼ってって言えればいいだけのことなのわかってる。
けど、どうしても言えないの。』
なんだか喋ってて自分が可哀想になってきた。
やっぱ折れずに黙ってれば良かったかな。
なんて思いとは裏腹に口から本音がどんどん出る。
hk『おれ、こんなに好きなのに…
なんでうまくいかないのかなぁ、』
俺はアイツの、
薮の隣にいていいのだろうか。
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蒼海(プロフ) - はなもさん» 優しいお言葉ありがとうございます…! (2020年1月27日 10時) (レス) id: dcfd61658f (このIDを非表示/違反報告)
はなも(プロフ) - この話いのあり好きな私からしたらものすごく大好きな小説なので自分のペースで更新頑張って下さい!待ってます! (2020年1月27日 6時) (レス) id: 1cb17799b7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼海(プロフ) - あみおかさん» ありがとうございます! (2020年1月26日 22時) (レス) id: dcfd61658f (このIDを非表示/違反報告)
あみおか(プロフ) - やぶひかの展開が気になります!更新頑張って下さい! (2020年1月18日 13時) (レス) id: 1a4f58f7c6 (このIDを非表示/違反報告)
蒼海(プロフ) - 圭人愛ing者さん» ありがとうございます! (2019年12月23日 10時) (レス) id: dcfd61658f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼海 | 作成日時:2019年5月8日 22時