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そうして、リストの上から下まで書いてあったものを買ってあの女の家に行ったところだが……。


おそらく木造であろう、ぼろいアパートを目の前に、俺は帰るべきかかなり迷った。

錆び切ってぼろぼろになった階段に、前にでかいマンションが立っているからか、日辺りは最悪。
元々サマーグリーンの綺麗な色だったかもしれない壁の色は、今や褪せて苗のような色になっている。

一般家庭の何分の一……俺の家の家賃の何十分の一だろうと思わず計算してしまうほどに、ボロい。ものすごく、ボロい。幽霊でもでるんじゃないかと思うほどだ。


でも、電車まで乗って、メンバーにやたら大量な買い物まで頼まれて両手にでかいスーパーの袋まで抱えてきたのだ。もう帰るわけにもいかない。
此処まで来たからには、あのアンパンマンもどきの正義のヒーロー女の、「力がでない……」状態を写真で収めてグループラインで送り、弱みを握らなければ気が済まないのだ。



がさりと音を立てる袋に、力を込めて、きしむ階段を上っていく。
力を片方に移動したら底が抜けるのではないかと思うほどの階段は、ミシ、ミシという音を立ててもなんとか崩壊はしなかった。




「……ッチ、なんでアイツはこんなクソボロいアパートなんかに住んでんだよ」




モニターどころか、マイクすらついていない……。いや、インターホンそのものが存在していなかった。どうやって中の人間呼び出すんだよ、と内心呆れつつも、借金取りのようにドアを何度かノックする。


すると、防音の「ぼ」の字もないような薄っぺらいドアがゆっくりと開いた。




「…………は……い……っ?」




相手を確認していなかったのだろう。ドアを開けた相手は目を丸くしている。言葉もでないようにぽかんとこちらを見つめていた。幻でも見ているようだ。


ぱち、ぱちと瞬きを数回繰り返した後、そいつは赤い顔でつらそうに息をしながら何度も俺を見た。



「……はな、みや……くん……?」



がさがさな声。

望んだとおり、へばった彼女____Aの姿を拝めて、俺はにやりと口を歪ませる。



そんな喜びも束の間、俺はにこりと紳士的な笑みを浮かべて、両手のスーパーの袋を少しだけ上にあげた。




「こんにちは。お見舞いにきたんだ。皆の差し入れもあるよ。
中に入れてくれる?」

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鎖月零(プロフ) - Flower*さん» flower!ありがとうございます!!短編の夢主は同じ夢主で書くのが普通だということを今の今まで知らなくて……全員バラバラにしてしまいました(笑)私も短編の方が書きやすくて軽くかけるので楽しかったです!続編頑張ります! (2018年2月26日 18時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 1完結(?)おめでとうございます!甘々で読んでてドキドキしてしまいました(*ノωノ) それぞれのお話の夢主ちゃんたちも個性豊かで面白し、何より短編なので読みやすいです。やっぱり零すごい……。続編の方も首を長くして待ってます! (2018年2月24日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» めっちゃ楽しみにしてます!!! (2018年2月18日 18時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 黛パフェさん» うそぉ……本当に恥ずかしいです(笑)規制かかる系の甘々はあまり得意分野ではないのですが、楽しんでいただけると幸いです……!甘くなるように頑張ります (2018年2月18日 18時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» 今でもたまに見たりしますよ!黄瀬くんの好きですー!規制とかあまり気にしないタイプなので別のアカウントで見に行きますねー! (2018年2月18日 1時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鎖月零 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月17日 17時

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