8 ページ16
真っすぐで、恋愛脳すぎて、一途すぎるこの天才児なのに馬鹿な女。
他のことならそんな他人の意見に耳を傾けすらしないくせに、
俺との恋では逆に他人の意見を聞きすぎてから回っているってことかよ。バカじゃねぇの。頭いい癖に。
頭に置いた手で彼女の髪をぐしゃりと乱す。彼女は驚いた顔でこちらを見上げた。
「さっきのキスでわかってんだろ。何一つ引いてなんていねぇよ。
お前が『好き』って言ってくれないと、俺だって不安だ。足りねぇんだよ。」
「……っ!!」
「……確かに、今まで俺はお前にばっかり好きだと言わせてきた。口づけるのも抱きしめるのも大体お前からだった。」
そう、俺にも非はある。
なにせいつも俺は彼女に翻弄され、愛を受け取るばかりで返すことはあまりなかったから。
この天才児が簡単に意見を曲げてしまうほどに、行動を変えてしまうほどには不安だったのだろう。
そして、なによりこの恋が大事だったのだろう。
俺が積極的ではないことに、彼女は不安を覚えてしまった。
______それなら。
「……我慢せずに、お前に好きなだけ手を出していいってことだ。」
「え?」
きょとんと大きく見開かれた瞳。ぽかんと少し開いた唇に、俺はまたキスを落とした。
「覚悟しろよ、肉食お姫様。
お前がそんな不安になるっていうなら、俺だって手加減はしねぇ。
____泣いて懇願しても、やめねぇから。」
運命の王子様ではなく、村人Aを好きになってしまったお姫様。
そんじょそこらにいる畑をたがやす貧乏人。まぁ言ってしまえばモブというポジション。
でも、そんな脇役だって命はあるし、キャラクターだってある。
もしかしたら王子様より独占欲が強いかもしれないし、狼よりも凶悪で食いしん坊かもしれない。
お姫様が好きになった村人Aは、思ったよりも厄介なようだ。
____お姫様は選択肢を間違えてしまったEND____
285人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鎖月零(プロフ) - Flower*さん» flower!ありがとうございます!!短編の夢主は同じ夢主で書くのが普通だということを今の今まで知らなくて……全員バラバラにしてしまいました(笑)私も短編の方が書きやすくて軽くかけるので楽しかったです!続編頑張ります! (2018年2月26日 18時) (レス) id: e5c976073b (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 1完結(?)おめでとうございます!甘々で読んでてドキドキしてしまいました(*ノωノ) それぞれのお話の夢主ちゃんたちも個性豊かで面白し、何より短編なので読みやすいです。やっぱり零すごい……。続編の方も首を長くして待ってます! (2018年2月24日 0時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» めっちゃ楽しみにしてます!!! (2018年2月18日 18時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
鎖月零(プロフ) - 黛パフェさん» うそぉ……本当に恥ずかしいです(笑)規制かかる系の甘々はあまり得意分野ではないのですが、楽しんでいただけると幸いです……!甘くなるように頑張ります (2018年2月18日 18時) (レス) id: a33d034fdf (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - 鎖月零さん» 今でもたまに見たりしますよ!黄瀬くんの好きですー!規制とかあまり気にしないタイプなので別のアカウントで見に行きますねー! (2018年2月18日 1時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ