要らない子 93人 ページ48
ねぇ、ちょっとあのさ
そんな唐突な呼び掛けにも、この2人は快く応えてくれる。
カラ松「ん〜?どうした一松〜。そろそろこの俺が恋しくなったかぁ?」
十四松「一松にいさん!なに?なにー?」
一松「クソ松はもうそのクソ目やめて…こっちがイタい」
こんな時でもやっぱり、こういう生意気をいう気力はあるらしい。
カラ松「OK brother」
間髪入れずにイタい顔を直s…いやまだ若干クソ。
気を取り直して、改めて宣言する。
一松「お、俺あの…言うことが、あって…」
一松「その、」
これを言ったらどうなるんだろう。
決心をして次の言葉を発そうとした瞬間、疑問が思考を邪魔した。
優しい2人のことだから、瞬間的に目の色を変えて、速攻自分を突き放して軽蔑の意を向けるなんてことないのは頭ではわかっているけど、
最悪の事態を考えずにはいられない。
Aの時と同様、2人にどう思われるのか、そんなことばかり考えている。
正しい事を言うはずなのに、どうしてこんなに怯える必要がある?
…違う。
────正しい事を言うだけなのに、怯えなくてはならない程のことを、自分はしてきたのだ。
いつまで経っても“あ”の口の形で固まる兄の様子を見て、十四松が声をかけた。
十四松「一松にいさん…?どうしたんすか?」
耐えかねてカラ松も口を開く。
カラ松「一松?具合が悪いのか?」
心配そうに見つめられているのは分かっていたが、どうしても動くことが出来ない。
[もうAをいじめないことにするから、だから…]
…だから仲間に入れて?
そんな事をほざいていいのか
散々嫌いだの必要ないだの言って来た俺が。
色々な思いが渦巻いて目の前が真っ暗になりかけた時、
カラ松「一松!」
肩にかかる重みで目が覚めた。
見るといつの間にか立ち上がって向かい合ったカラ松に、がっしりと両肩を掴まれていた。
カラ松「一松…何か言いたいことがあるんだろう?」
カラ松「まずは落ち着くんだ。余計なことは考えなくていい、深呼吸してみよう、いいか?」
ゆっ…くりと数回、カラ松の言うがままに息を整えると、少し気分が落ち着いた。
カラ松「大丈夫か?」
一松「…」コクリ
頷いたが、まだぎこちない様子をカラ松が見てとった。
カラ松「何を怖がることがあるんだ。同じ兄弟だろう?誰もお前を
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しらたま - うぐっ...泣いてしまいました...。デカパンいいやつ...。あっ、おそ松推しです。 (2021年7月23日 11時) (レス) id: 24987e1d85 (このIDを非表示/違反報告)
likk - デカパンいいやつ (2019年5月29日 18時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
絢斗 - 絢斗「ごめんね兄さん達…本当はあんなことしたくなかった…ッ担任の樋崎に言われたんだ。『兄弟を○す』って。ごめんね大切な兄さんたち。」 (2019年4月15日 17時) (レス) id: 936fc60342 (このIDを非表示/違反報告)
絢斗 - はーい絢斗本人だよ…。 ただ自分の名前を絢香→絢斗にしただけ。 ちょっとなんかこの小説読んでたら泣けてきた 応援してます。 頑張ってください (2019年4月15日 17時) (レス) id: 936fc60342 (このIDを非表示/違反報告)
しょうどうぶつ(プロフ) - yurizuさん» ぐはっ(バタ)←気にしないでください (2019年3月31日 21時) (レス) id: 6b43d9f71a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurizu | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2017年4月2日 23時