要らない子 79人 ページ34
十四松「はいA!入ろう!」
A「あ、うん!」
居間の前で躊躇っていると、十四松兄さんが声をかけてくれた。
正直入りたくない…
でも十四松兄さんが守るって言ってくれたし、それに兄さんをあんまり困らせたくないしな。
A「入るね」
意を決して襖を開けた。
その瞬間、私だけに降り注がれる冷たい視線の雨。
私の心を冷やす瞳が1つ、
2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、ここの……
つ?
あれ?
なんで?
私に気づいてくれたのは十四松兄さんなだけのはずなのに。
どうして
カラ松兄さんがあんなに優しい目を向けてくれてるの?
また何かの作戦かな。
油断させて私を徹底的に潰そうって考えてるのかな。
…
A(あぁもう、今はそういうのなし。とりあえずさっさと話聞いてさっさと戻ろう)
──だって怖いから。
A「それで何?めんどくせぇな、何の話だよ」
十四松兄さんの前でこんなこと言いたくないけど……まぁ仕方ない。
絶対十四松兄さんなら分かってくれてるしね。
一松「…チッ、うざ」
トド松「あっはは!ほんとその通りだよね〜」
…確かにね。私でもうざいし嫌だもん、これ。
このキャラ。
A「いいからさっさと言えよ、鬱陶しいな」
若干キレた感じで言ったら、おそ松兄さんがため息をついてから私に言った。
おそ松「お前さぁ、父さんと母さんに“私って生まれてこない方が良かった?”みたいな事言ったんだってな」
え!?
いやなんで知ってんの?誰が聞いてたのそれ!
A「………」
無言の返答。
別にひねくれてるわけじゃなくて、
なんて言えばいいのか分かんなかっただけなんだけど。
おそ松「でさぁ、なーんか俺思ったんだよねぇ」
睨んできたおそ松兄さんの目を睨み返す。
おそ松「俺達の前ではこんななのに、父さん達がいる時だけいい子ぶってんのは…」
私が前に兄さんにやった時のように、兄さんは私に思いっきり顔を近づけた。
ほんとは嫌なくせにね。
おそ松「父さん達を騙してんじゃないかなーってさ」
A「は!?」
予想外の言葉を言われて思わず声が出てしまう。
騙す?
そんな訳ない。
父さんと母さんを騙してるって。
…言おうか?
──でも、そんなの嘘でも言いたくないよ。
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しらたま - うぐっ...泣いてしまいました...。デカパンいいやつ...。あっ、おそ松推しです。 (2021年7月23日 11時) (レス) id: 24987e1d85 (このIDを非表示/違反報告)
likk - デカパンいいやつ (2019年5月29日 18時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
絢斗 - 絢斗「ごめんね兄さん達…本当はあんなことしたくなかった…ッ担任の樋崎に言われたんだ。『兄弟を○す』って。ごめんね大切な兄さんたち。」 (2019年4月15日 17時) (レス) id: 936fc60342 (このIDを非表示/違反報告)
絢斗 - はーい絢斗本人だよ…。 ただ自分の名前を絢香→絢斗にしただけ。 ちょっとなんかこの小説読んでたら泣けてきた 応援してます。 頑張ってください (2019年4月15日 17時) (レス) id: 936fc60342 (このIDを非表示/違反報告)
しょうどうぶつ(プロフ) - yurizuさん» ぐはっ(バタ)←気にしないでください (2019年3月31日 21時) (レス) id: 6b43d9f71a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurizu | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2017年4月2日 23時