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要らない子 77人 ページ32

ガララ…



家に着いたカラ松と十四松は、玄関の扉を開けた。



カラ松「今帰ったぞ、brother?」


十四松「ただいマッスルマッスルー!」





いつもの調子を装って帰ったことを告げる。

しかし内心では二人共緊張していた。



やや硬い表情で居間に続く廊下を進み、辿り着くと2人で顔を見合わせた。



決心したように前を向くと、



息を吸い込んでカラ松は襖を開け、

兄弟に言った。




カラ松「brother、聞いてほしいんだが」


トド松「何ー?またなんか話なの?」




嫌そうなトド松をスルーし、おそ松に問いかける。




カラ松「おそ松兄さんはさっき、アイツが騙していると言ったな?」



おそ松「……おう」





結構不機嫌そうな兄貴に微笑を浮かべたカラ松。



そして言った。




カラ松「ならばそこで、俺から提案だ」








カラ松「Aに聞いてみてはどうか、と思うんだが」






何言ってんだこいつ という視線を浴びながら、いつものように臆する事なく兄弟を見回す。



暫くの無言が続いたあと、チョロ松が口を開いた。





チョロ松「…いいんじゃないの。一番手っ取り早いし。………ね、おそ松兄さん」



おそ松「………」





無言を賛成だと勝手に受け取ってAを呼びに行こうとすると、一松が立ち上がった。




一松「お前クソ松……!何言ってんだよ」



そのまま、ずんずんと歩み寄ってきた一松はカラ松に詰め寄る。




カラ松「何がだ」



一松「ふざけてんのか?アイツの事しかねぇだろうが」



一松「お前アイツの事嫌いなんだろ?顔を見たくないんだろ?だったらなんでわざわざ接点もつ様なことしてんだよ。お前変なんだよ。頭おかしいんじゃねぇのかクソ松…!」



言葉を並べ立てながら、一松はずっと俯いていた。


どんな顔なのかは分からないが、怒ってはいなかった。



ただ、辛そうだった。





カラ松「…騙されてると思ったのか?俺が」


一松「…………」





図星なのか、黙り込む一松。





カラ松「大丈夫だ、むしろそれを今から確かめるんだぞ?俺が頭空っぽでも悪い方に進むことはないさ」




一松「…うん…」




カラ松「安心してくれ一松。お前がそんな風になる必要は無い」






微動だにしない一松を、カラ松は少し抱き締めてみたが、そのまま少しも動かなかった。



でも少し、一松の力が抜けた感覚がした。







カラ松「じゃあ呼んでくるな」






カラ松が居なくなると、居間は静寂に包まれた。

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しらたま - うぐっ...泣いてしまいました...。デカパンいいやつ...。あっ、おそ松推しです。 (2021年7月23日 11時) (レス) id: 24987e1d85 (このIDを非表示/違反報告)
likk - デカパンいいやつ (2019年5月29日 18時) (レス) id: c9c05fe7f4 (このIDを非表示/違反報告)
絢斗 - 絢斗「ごめんね兄さん達…本当はあんなことしたくなかった…ッ担任の樋崎に言われたんだ。『兄弟を○す』って。ごめんね大切な兄さんたち。」 (2019年4月15日 17時) (レス) id: 936fc60342 (このIDを非表示/違反報告)
絢斗 - はーい絢斗本人だよ…。 ただ自分の名前を絢香→絢斗にしただけ。 ちょっとなんかこの小説読んでたら泣けてきた 応援してます。 頑張ってください (2019年4月15日 17時) (レス) id: 936fc60342 (このIDを非表示/違反報告)
しょうどうぶつ(プロフ) - yurizuさん» ぐはっ(バタ)←気にしないでください (2019年3月31日 21時) (レス) id: 6b43d9f71a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yurizu | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2017年4月2日 23時

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