私、失敗しないので

Dr. 136 ページ38

私はその包帯の下を調べたかった

あいてのことがどれだけ嫌いでも、どれだけ憎くても医者であるなら誰一人として死なせてはいけないし、治す義務があると思っている


鬼を斬り人を助けるのが鬼殺隊の役目なら

傷を癒し生きる力を与えるのが医者の役目だ



小「それだけか。ならば俺は出ていくぞ、この包帯をとることはしないからな」



少し空気が重くなった、目の前のネチネチチビ男からの威圧が強くなったからだろう

心做しか蛇からも睨まれてる気がする。


でも私はカエルじゃない。



貴『お願いします。私は医者のとして、治せる病気も怪我も最善を尽くして治してあげたい、もしその包帯の下が誰にも見られたくないものなら……私が治します。』



小「お前言ってる事が矛盾しているぞ。誰にも見られたくないのならもちろんお前にも見られたくはない。それを治すだと？無理に決まっているだろう」



やはり包帯の下は見られたくないものなんだ……でもそれなら尚更治してあげたい、見られたくなくて包帯をしているのならきっとこの傷が無くなって欲しいと思っているはず。

元々気にしていなければ包帯などこれだけの時間つけていられないから。




貴『私に治させて、もうその包帯をしなくてもいいほどに治す』




小「無理に決まっていると貴『私はとても良い名医です。

それに私失敗しないので。』何を根拠に……」




「Aは絶対に治らないと思っていた俺の傷を治した素晴らしい医者だ。

1度見てもらったいいんじゃないか。

絶対に治る。俺が保証しよう」




貴『……煉獄さん


お願いします、私に切ら……治させて』


小「おいお前今何言いかけた。........



1度だけだ」


数秒考え、そう答えた

煉獄さんすげぇ。このいかにも頑固ですよのチビを納得させた、

あれか。神なんだな



貴『ありがとうチビ！

じゃぁ早速蝶屋敷へ行こー！！』




小「ちょっと待てお前やっぱ斬る」




ごちゃごちゃうるさいチビを俵担ぎして煉獄さんと共に蝶屋敷へ向かった

しのぶさんにはめっちゃびっくりされたけど親切なことに診察室を貸してくれた、ありがたい



貴『んじゃ伊黒さん包帯取ってくれる？』


「どうせ治らないものを……」



呼び方は移動中に直された。あまりにネチネチというもんで仕方なくだけどね、


口の周りを覆っていた包帯がスルスルと解けてあらわになってきた傷跡


口角を切り裂かれたように出来ていたその傷跡は結構昔にできた傷だということが見てわかった


貴『……鬼にやられたの？』

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