ちょっと変わった出会いから 4 【HQ】

161 ページ12

最後の授業も終わって、ようやく彼からも解放…







『A〜！』








なんて思っていると、いきなり名前を呼ばれて肩が跳ねる








声のした方を見ると、彼が笑顔を浮かべてこちらを見て手を振っていた









『明日ね〜』








そう言うとわざとらしく投げキッスまでして来た







周りの目が………恥ずかしい。







『お前さっきから何してんの』

『キッモ！』

『抜け駆けじゃん〜』







なんていろんな人の野次が飛びつつも彼はずっと笑っていた







私は苦笑いしかできず、そのまま固まっていた








………。







教室出て行ったと思ったらまたすぐに引き返して教室に入ってきて、何故かこちらに向かってくる








若干駆け足。








何が起こってるのか分からず、私はそこで立ち尽くしたまま。








すると急に体を抱き締められて、体の熱が急上昇し始めると同時に状況が理解できない









！？！？！？







すると教室に顔出したのは呆れたような顔をした友くんだった








友｢お前まだやってるの？セクハラ｣







友くんは私のところまで近付いて来て小さく笑っていた








『俺のだからね！襲ったら…』





友｢セクハラだ〜！誰かー！｣








友くんは全く聞いていないし、私はどうしたらいいか分からず動けないし……









そんなことより…！！






私は黒尾くんに用が……






授業中に、そういえば研磨くんに連絡をしていないことを思い出した








だからせめて帰りに…と思って黒尾くんに帰りに声をかけようとしていたのに。








彼らのやり取りは正直あまり聞いていなかった









……………あ…








ちょうど黒尾くんと佐々木さんが一緒に教室を出て行くのが目に入った








………





…実行委員かな…あ、日直…かな。






…






この何とも言えない気持ちは、きっと、研磨くんに対して何も出来ていないから。









いつの間にか彼らのやり取りは終わっていて、目の前には笑顔の友くんがいた









……ん？そういえば何で友くんがこの教室に？









友｢一緒に帰らない？｣







私が聞くと、友くんは笑顔を浮かべてそう言ってくれた








…でも…






｢ごめんね…今日は用事があって｣







…急げば間に合うかな。






友くんは少し眉を下げるも優しく受け入れてくれた

162→←160

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す