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…………え…
いきなりの出来事に頭が追いつくわけもなく。
ゆっくりと離れる唇と唇
私の体はそのまま固まったままだった
するとそのまま頭を押さえ付けられる
黒「…えー…っと……あの…………ごめん…」
頭の上から黒尾くんの小さな声が降ってくる中、私も戸惑いながら頷いた
…………
すると黒尾くんはそのままの体制で、切り替えるように小さく息を吐いた
黒「……理由を知ったからさ、今度から俺も頼りにしてもらえる…?」
……えっと…
黒尾くんは私の頭を離してまた頬に触れ、気まずいながらに目を合わせた
黒「…じゃなくて、頼りにしてほしい
俺も聞くし、弱みを見せてもいい…泣いてもいい
…迷惑なんて思わないから」
…っ
私がよく考えてしまうことを分かっているからか、黒尾くんは最後そう付け足した
私はその優しさにまた甘えたくなったのか、自然と黒尾くんの服を握りしめていた
黒尾くんの優しさと
会えなくなった父さんの服
酷いことをしてるのかもしれない
それを重ね合わせてはいけない、分かってる
私は笑顔を作って頷くと、黒尾くんも一緒になって優しく微笑んでくれた
そしてまた流れた涙を優しく親指で拭ってくれた
.
二人で翔の元へ戻ると、相変わらずスヤスヤ眠っていて思わず笑みが溢れる
そしてコロコロ転がったのか、隅っこで寝ていたため私の寝る場所が無くなっていた
黒「翔の隣で寝たいでしょ?
俺と翔の間になるけど、入りなよ」
黒尾くんは悪戯な笑みを浮かべていた
……状況がおかしいでしょ。
それに…
「今日は翔にとっても特別だから、黒尾くんの隣がいいと思う
隣で寝てあげて」
きっと、翔はその方が嬉しいはず
こんな機会滅多にないんだしね…
黒「お姉ちゃんだね」
そう言って布団に入ると黒尾くんは翔に抱き着いた
すると翔はもぞもぞと動いて黒尾くんの方に体を向けた
私は黒尾くんの隣にいって、逆側を向く
………あ
「黒尾くん、ありがとう」
黒「いいえ」
私は黒尾くんの背中に向けそう言うと、きっと笑った顔をして返事をしてくれた
……変な一日。
………変。
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PUPU(プロフ) - あははははさん» 強引なワガママを無理やりねじ込みました…申し訳ないです… (2021年1月6日 21時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - ワガママしすぎwおかしいw (2021年1月6日 20時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - 瑞稀さん» そんな…!(´;ω;`)ありがとうございます!いろんな意見を取り入れて、別ルートも作るつもりです(^^) (2020年2月13日 12時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - すごく面白いです。感情移入して泣いてしまいました…笑 個人的には研磨落ちも見たいですがクロ寄りですかね…??どんな結果でも楽しみにしてます! (2020年2月13日 3時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:PUPU | 作成日時:2020年1月14日 21時