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私は自分の思いを飲み込んだ









これを言ったら余計に迷惑をかける








研磨くんは特に何か言うわけでもなかった









『研磨と?』








その時、さっきまで一緒にいた黒尾くんの声が耳に入ってきて大きく胸が跳ねた







それは研磨くんも同じだったようで、同じタイミングでお互いの顔を見合わせた








微かな足音が近付くにつれて心臓の動きがどんどんと早くなっていく









……っ





…私がここに来た目的は、研磨くんに甘えるためじゃない







「…夜久くんにジュースを届けに……」









私は急いでカバンの中からジュースを取り出すと、すぐに奪い取られてしまった








夜「着いてくんなよ」




黒「別にいいじゃん」








どうやら夜久くんも来ているみたい。








……どうしよう、泣いたのバレるかな







なんて考えていると急に背中を押されて、頭の上に乗っていたタオルがふわりと落ちそうになるのを掴んだ









孤「……行って」







……






研磨くんが優しく押してくれた方向は完璧に帰る方向の出口だった








私は研磨くんのタオルを握りしめながらも、振り返る







二人の声はどんどんと近付いてくる









孤「…クロの前では我慢したんでしょ






早く行ってって」








研磨くんはそれだけ言うと、もう返事はしないと言うように背中を向けた







私は研磨くんの言葉にまた甘えて、私も研磨くんに背中を向けて歩き出した









もうみんなの会話は聞こえない





泣いたせいで、どんな様子なのか後ろを振り返ることも出来ない








心が痛い






夜久くんには直せず渡せず、



研磨くんにはまた迷惑をかけ。







黒尾くんにもちゃんとお礼を言ってない









……………







ごめんね。…本当に








…一体どうしたんだろう







……なんで研磨くんを見たらあんなに…









私はいろんなことを考えながら、翔の待つ公園へ向かった









.







『翔くんのおねーちゃん!』








今日は学校の友達と遊んでいたのか、翔一人ではなかった








「こんにちは」







なんて声を掛けるとお友達は返事をしてくれると同時に横から別の女の人の声が覆いかぶさる









『あら?翔くんの…



この間は、うちの子と遊んでくれたみたいで…』








この子のお母さんかな。





笑顔でいきなり頭を下げるもんだから同じように私も下げた

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PUPU(プロフ) - あははははさん» 強引なワガママを無理やりねじ込みました…申し訳ないです… (2021年1月6日 21時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
あはははは - ワガママしすぎwおかしいw (2021年1月6日 20時) (レス) id: 0050c00856 (このIDを非表示/違反報告)
PUPU(プロフ) - 瑞稀さん» そんな…!(´;ω;`)ありがとうございます!いろんな意見を取り入れて、別ルートも作るつもりです(^^) (2020年2月13日 12時) (レス) id: 1af456bb3b (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - すごく面白いです。感情移入して泣いてしまいました…笑 個人的には研磨落ちも見たいですがクロ寄りですかね…??どんな結果でも楽しみにしてます! (2020年2月13日 3時) (レス) id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:PUPU | 作成日時:2020年1月14日 21時

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