ちょっと変わった出会いから 2 【HQ】

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黒尾くんは床をホウキで掃き始めた








…私は何をしようかな





黒板は終わったし、机とか台の上でも拭こうかな







そう考えながら私は雑巾に手に取って、水道へ向かった








水がひんやり冷たい








…………………





…何だったんだろ







そういえば、昨日も……






"起きるし、アイツらにも聞こえる"






……っ…あれは、翔が起きてしまうからであってきっと深い意味は無い…







"…好きなの？"







考え出すと、次々と蘇ってくる昨日の出来事に少し顔が熱く、鼓動が早くなっている気がした









私……夜久くんの事…







改めて考えてみても、浮かぶのは優しい夜久くんの姿で恋愛感情みたいなものは無い







……そもそも






私が夜久くんを好きになったところで何になるんだろう






漫画やドラマみたいにハッピーエンドになんてなるわけが無い








……






急に入ってきた水道の音に、ハッとして急いで蛇口をひねった








…早く、掃除終わらせなきゃ







……部活が…









"今日しか話せない気がするから"







………っ







胸がチクリと痛んだが、気付かないふりをして私は教卓に雑巾を置いた








……早く終わらせなきゃ







そう思いつつも自分の中で反発してくる感情が少しいる







お互い口は開かず、静かな中黙々と掃除をする







そのせいでどんどんと掃除は終わっていく









この寂しいような感情は一体なんだろう






きっと空気が冷たいからかな？









.






黒尾くんは掃き掃除が終わったのか、ホウキを片付けて自分の席へ座って日誌を見ていた









……待ってくれてる、よね






私は急いで終わらせて、雑巾を洗いに行った








｢…ごめんね。先帰ってもいいのに｣







日誌だってほぼ書いてあるし…






黒尾くんはぱっと顔を上げて小さく微笑んで首を横に振っていた








やっぱり優しいなぁ







私も自分の席に着いた







日誌もほぼ書いてある、







だからもう自分の支度をして帰るだけだと言うのに。









…………








｢…部活、行かないの？｣








私がそう聞くと、黒尾くんはまた日誌から私へ視線をずらした









黒｢星野さんは帰らないの？｣









私は思わず口篭る







帰るよ…帰るけど……








｢黒｢星野さんが居るなら、俺もいるよ｣









私が言おうとしてた事と同じだった

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