第八十一話_妹のように ページ44
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A「(云っちゃいけない、引き留めちゃ駄目
此れが私たちにとって一番最善な別れ方
そんな事、解ってる、解ってる………けどッ)
____行かないでッ」
安吾「………」
A「安吾、行かないで」
安吾は太宰と織田を見るが二人は何も云わないし顔を此方に向けることもない
でも何故だろうか、二人の横顔も先程の安吾と同じようにAの行動に嬉しそうな表情をしているような気がする
安吾「Aさん、ごめんなさい
本当はもっと貴女に色々教えてあげたかった
貴女が見てきた物は此の世界のほんの小さな一部なんです
だからAさんにもっと色んな物を見せたかったし、知って欲しかった
貴女は其れを知る機会を奪われてしまっただけ
教えてもらえなかっただけなんです」
Aの視線に合わせながら安吾は膝を付き、彼女の頭を優しく撫でる
安吾「でも僕が居なくなっても太宰君と織田作さんが
此れからもAさんに色んな事を教えてくれます
笑って、泣いて、怒って、時には悩んだり、迷ったりしながら
Aさんはそんな経験を沢山して自分らしさを見つけてください」
A「ッ………」
安吾「………」ギュッ
安吾はAを強く抱き締める
今の顔を見られないように強く、強く……
安吾「貴女の事は妹のように思っていました
貴女と出会えて善かった
Aさん、どうかお元気で」
名残惜しそうにAと離れると安吾は今度こそ階段を登って行った
____
__
_
安吾のこともあり、すっかり美術館の襲撃についての報告書を書き忘れていたAは怪我をしている芥川に変わって一人で
少し前まで太宰がいたが彼は急に電話があると急いだ様子で出て行った
「Aは此処に居て」と云われたため特に其の事について深く考えていなかった
ガチャ!!!
中也「おいっ!!A!!!」
A「!?」
ノックもせずに大きな音を立てて入ってきた中也に驚く
A「………中也?」
中也「……出ろ」
ただ一言云うと中也は自分の携帯をAに渡す
訳が分からないが取り敢えずAは携帯を受け取ると自身の耳に当てる
太宰『A……?』
A「太宰……!」
電話の相手が太宰だったことに驚いたが彼の声が若干震えているように聞こえるのは気のせいだろろうか?
太宰「A、時間がない。一回しか説明しないからよく聞くんだ」
A「……うん」
その話は衝撃的なものだった
織田が養っていた孤児達が
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みゆき(プロフ) - ショタ作さん» ありがとうございます!黒の時代の中で絶対に書きたかったお話の一つなので皆様の印象に強く残ってくれて嬉しいです😆😆 (1月8日 8時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
ショタ作 - このお話めっちゃ大好きです!特にのどかさんと同じで私達が君の名前を呼ぶよって所が印象的でした。これからも頑張ってください。 (1月8日 1時) (レス) id: 916af5240f (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 明日羽さん» 本当にすみません。またやらかしていましたか😭😭😭すぐに直させていただきます!! (2022年9月18日 22時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
明日羽 - 「第八十四話_彼が友達だから」に主人公の名前がくるであろう場所につぼみという名前(?)があるんですが誤字じゃないですか?間違っていたらすみません<(_ _)> (2022年9月18日 21時) (レス) @page47 id: 60a89d6d9f (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - のどかさん» そう!そうなんです!実はこの黒の時代を読み終わった後にアニメのエンディングを聞いてもらうと4年後の里見ちゃんの心境が語られているようにしたかったんです!!二重の意味で泣かせにいく構想になっているんです!! (2022年8月7日 16時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆき | 作成日時:2021年1月30日 23時