第八十話_異能力の特異点 ページ43
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織田「俺の異能力も奴の異能力もほんの数秒先が予見できるに過ぎない。結局の処、勝敗は戦闘と射撃の技量にかかってくる」
安吾「不確定要素は大きいでしょう。"異能力の特異点"の問題もある」
織田「異能力の特異点?」
安吾「ジイドに対して異能力を使ったとき何時と違うことが起きませんでしたか?」
安吾の言葉に織田はジイドと戦った時の事を思い出す
織田「嗚呼、起きた」
安吾「複数の異能力が干渉し合うと
全く予想もしなかった方向に異能力が暴走するという現象が
政府機関によって確認されています
今の話、本当はしてはいけないことになっています
僕がこうして会っていることも
上層部に知られたら大問題になります
当面は姿を隠さなければ」
太宰「おやおや。まるで自分が生きてここから出られるみたいな口ぶりだね
安吾、解っていると思うけど今、君の隣に座っているAの異能力は全ての人間を操れる
私が命令をすればAはただ一言発するだけで此所一体を血の海に出来る」
A「………」
太宰が微笑みながら云った
Aは俯いたまま何も云わない、でも手が微かに震えているように見える
織田「ここを戦場にする気か?」
織田は太宰に鋭い視線を送る
安吾「僕のせいですね、僕が間違っていた。この場所だけは皆さんと立場を超えて会えるような気が、勝手にしていました」
太宰「安吾、私の気が変わらないうちに消えるんだ」
安吾「!」
太宰「別に悲しんでいるんじゃない
最初から解っていたことだ
安吾が特務課であろうとなかろうと失いたくないものは必ず失われる
求める価値のあるものは皆、手に入れた瞬間に失うことが約束されている
苦しい生を引き延ばしてまで追い求めるものなんて何も無い」
安吾「太宰君、Aさん、織田作さん
いつか時代が変わって特務課もポート・マフィアもない
我々がもっと自由な立場になったら
また____」
織田「云うな安吾」
織田は静かにもう一度呟くように
織田「其れ以上云うな」
暫く沈黙が続いた後、安吾はゆっくり立ち上がり
机に何かを置くと出入口に向かって歩いて行った
A「安吾………」
安吾「ッ!!?」
小さく戸惑いの声で呟くように安吾の裾を引っ張って止めるA
安吾は其のAの行動に驚愕とでも、何処か嬉しそうな表情をしながらAの方に振り替える
安吾「Aさん………」
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みゆき(プロフ) - ショタ作さん» ありがとうございます!黒の時代の中で絶対に書きたかったお話の一つなので皆様の印象に強く残ってくれて嬉しいです😆😆 (1月8日 8時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
ショタ作 - このお話めっちゃ大好きです!特にのどかさんと同じで私達が君の名前を呼ぶよって所が印象的でした。これからも頑張ってください。 (1月8日 1時) (レス) id: 916af5240f (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 明日羽さん» 本当にすみません。またやらかしていましたか😭😭😭すぐに直させていただきます!! (2022年9月18日 22時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
明日羽 - 「第八十四話_彼が友達だから」に主人公の名前がくるであろう場所につぼみという名前(?)があるんですが誤字じゃないですか?間違っていたらすみません<(_ _)> (2022年9月18日 21時) (レス) @page47 id: 60a89d6d9f (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - のどかさん» そう!そうなんです!実はこの黒の時代を読み終わった後にアニメのエンディングを聞いてもらうと4年後の里見ちゃんの心境が語られているようにしたかったんです!!二重の意味で泣かせにいく構想になっているんです!! (2022年8月7日 16時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆき | 作成日時:2021年1月30日 23時