第六十八話_演技 ページ31
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太宰「なのに
その時カチャッという音が鳴り響いた
太宰の後ろに先程撃った男が此方に向かって拳銃を向けていた
織田は驚いき、黒服の男達は直ぐに銃を相手に向ける
太宰「おやおや、対した精神力だね
実際の処、私は君達を敬意しているのだよ
此れ程、正面からポート・マフィアにぶつかってくる組織は無かった」
織田「太宰!!!止せ!!!」
織田は敵に近づく太宰に手を伸ばしたが太宰の外套を掴むことは出来なかった
太宰「私の目の中の歓喜が君にも見えることを願うよ
君がほんの少し指を曲げるだけで私が最も待ち焦がれた物が訪れる
唯一の恐れは君が狙いを外すことだ
だが、出来るさ。君は狙撃手だろ?」
織田「太宰……!!」
太宰「どの道、君は殺される。なら最期に敵幹部を葬ってみせろ」
織田「止めろ……太宰……!!」
太宰「頼むよ、私を一緒に連れて逝って来れ。此の讃歌する世界の夢から醒めさせて来れ」
織田「太宰!!!!」
男の手から震えが止まり、引き金を引こうとした瞬間、パーンと別の銃声が鳴り響いた
織田が男より先に引き金を引き、肩を撃ち
其れを合図に黒服たちも撃った
無数の弾丸が男の身体を貫き、ドタッと地面に倒れ今度こそ絶命した
太宰「悪いね、驚愕させて。迫真の演技だったろ?」
織田「演技?」
太宰「彼が外すことは判っていた
狙撃銃の後は左頬に付いていた
つまり彼は左利きだ、利き腕手ではない右手の上
まともに立てない程、ふらついた状態でオマケにあの旧式拳銃では
銃口を額に付けない限り中らないよ」
男は織田が撃ったと同時に発砲していたみたいだ
だが太宰が云った通り、その弾は外れており
包帯の巻かれてある左側から血が出て包帯を赤く染めた
A「………」
Aはショルダーバッグから手巾を出すと太宰に渡した
太宰「ありがとう、A。会話で時間を稼いで彼の腕が疲れれば後は織田作が何とかしてくれる」
織田「止めろ、太宰。もういい」
そう云って彼は太宰に背を向けて、歩き出したが其れを太宰が止める
太宰「織田作、安吾を頼む」
そう云いながら彼もまた織田に向かって背を向けた
織田「嗚呼、判ってる」
A「………………安吾」
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みゆき(プロフ) - ショタ作さん» ありがとうございます!黒の時代の中で絶対に書きたかったお話の一つなので皆様の印象に強く残ってくれて嬉しいです😆😆 (1月8日 8時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
ショタ作 - このお話めっちゃ大好きです!特にのどかさんと同じで私達が君の名前を呼ぶよって所が印象的でした。これからも頑張ってください。 (1月8日 1時) (レス) id: 916af5240f (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - 明日羽さん» 本当にすみません。またやらかしていましたか😭😭😭すぐに直させていただきます!! (2022年9月18日 22時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
明日羽 - 「第八十四話_彼が友達だから」に主人公の名前がくるであろう場所につぼみという名前(?)があるんですが誤字じゃないですか?間違っていたらすみません<(_ _)> (2022年9月18日 21時) (レス) @page47 id: 60a89d6d9f (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - のどかさん» そう!そうなんです!実はこの黒の時代を読み終わった後にアニメのエンディングを聞いてもらうと4年後の里見ちゃんの心境が語られているようにしたかったんです!!二重の意味で泣かせにいく構想になっているんです!! (2022年8月7日 16時) (レス) id: 475a141bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゆき | 作成日時:2021年1月30日 23時