気付いたら生命線超短くなってんだけど。何で？

疑問 ページ32

皆を玄関で見送って、1人ソファに座り込んだ。

考えるのは、先程の自分の発言。


『怖い…か。』


どうしてそう思ったのだろう。

皆良い奴なのに。面白いし、優しいしで最高の仲間なのに。

淹れたてのカプチーノは当然の如く熱い。

息を吹き掛けて冷ましていると、寂しさが突然襲ってきた。


『もう…なんなのさ…。』


いつの間にか、皆でいるのが当たり前で、日常になっていた。

それが、私の見つけた小さな違和感の集まりで壊れてしまうのか？

それは嫌だ！

でも、どうすれば良い？

見て見ぬふり？

出来ない。私は表情に出やすいのだ。

怖い。違和感を実際に意識してしまうと、怖くて仕方がない。

いっそ皆が本当に彼女でも作ってくれればいいのだけれど。

ぬるくなったカプチーノを一気に飲み干して、ため息をついた。


『怖いよ…。』


その時、インターフォンが静かな部屋に響き、思い切り肩が跳ねた。

恐る恐る覗き窓を見ると、そこには頬を掻く幼なじみの姿。


『ぺけ？』

ぺけ「うん。親今日帰って来ないって留守電あったから…。ギリギリまでいようと思って。」

『へー。…なんなら泊まる？』

ぺけ「え、良いの？なら物持ってくるね。」


泊まるかどうかは、不意に口から出ていた。

きっと、確証が欲しかったんだ。
形が何であれ、自分の不安に区切りを付けたかったんだ。

すぐに着替えを持ってきたぺけを部屋に入れて、他愛無い事を話す。


『ぺけー、ちょっとこっち見てー。』

ぺけ「んー？あ、なんで写真撮ったのさー。」

『こうしてこうじゃ。』


写真のぺけの顔に猫の髭を生やして、グループに送りつけてやった。

そうしたら、お返しとばかりに私に猫耳が付けられた加工写真が送られてきた。

隣を見ると、してやったり顔のぺけが居たから癪に障ってほっぺたを抓ってやった。


ぺけ「痛い痛い。」

『うるさいよー。』

ぺけ「このー。」

『ちょ、こちょがすのは駄目だって！アハ、アハハハハ！』


くすぐりあってる内に笑い疲れて、普段はないけどぺけに寄りかかって一休み。

細いクセに中々倒れないから、力をどんどんかけてくと、蛙が潰れたような声で倒れた。

骨でゴツゴツしてたからすぐに離れたけど、その後ぺけから押された。

勿論私は鍛えてるし、ぺけがどんだけ押しても倒れなかったけど。

そんなこんなで2人してソファで寝ちゃったのは翌朝になってから気付いたのだった。

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