天体観測 ページ14
マサイ「今日、流星群見れるらしいぜ。」
『まじで!?』
そんな昼休みの会話から、はや数時間。
私達はマサイの誘いで裏山に行って天体観測をする事になった。
裏山といっても、実際は小高い丘で、利便性上裏山と呼ばれてるだけ。
登校時のように皆と待ち合わせして、裏山に向かう。
ちょっとだけ整備された道を通って、山頂に着くと、見事な星空が広がっていた。
『ひゃー…』
ダーマ「東京でもこんな綺麗に見えるもんなんだな。」
黒く塗り潰されたような空を覆うような、満天の星。
月は三日月。しなった弓のようなそれは鋭利な印象をもたらすけど、私は満月より三日月の方が好きだったりする。
風が周りの木々の枝を揺らす。
さらさらと蠢く木の葉の音のみがこの裏山を制している。
モトキ「方位、合ってる?」
マサイ「合ってる合ってる。」
ぺけ「時間的にそろそろじゃない?」
ぺけの言葉に全員が空を見上げる。
宝石の粒にも思える星達は己を主張するもの、他を引き立たせるものと分かれている。
ふと、視界の端に一筋の光が走った。
ンダホ「あー!」
シルク「おお!」
ザカオ「来た!」
流れ星を見た私達は、きっと子供のように見えるだろう。
でも、私達は大人じゃない。かと言って、子供でもない。
生きていく中で誰もが経験する、大人と子供の狭間にいるのだ。
─だったら、いいじゃないか。
子供だっていいじゃないか。
時に大人ぶったっていいじゃないか。
狭間にいる時間は短い。
だから、今だけは思いっきりそれを楽しめばいいじゃないか。
シルク「次!次願い事叫ぼうぜ!」
『オッケー!3回だよ!?全員だからね!』
もう一筋。
誰がなんて言ったのかなんて分からない。
けれど、私が流れ星に向かって叫んだのは。
『皆一緒!』
この先に何が待ち受けていても、私達はずっと一緒が良い。
私達親友軍団Fischer'sは、誰かひとりでも欠けたらFischer'sじゃなくなるのだ。
私達がFischer'sである為に、なにがあっても乗り越えられるように。
私は、私達がこれからもずっと一緒だという確信が欲しかった。
だから、柄にもなく星に叫んだ。
ンダホ「Aのお願いって何?」
『次の大会で自己新出せますように!』
ぺけ「それは俺らが保証するよ。」
『そう?…うん、ありがと!』
そろそろ帰ろう、と誰かが呟いて踵を返す私達を、8つの流れ星が送り出した。
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レイ(プロフ) - こーゆーのまじで好きです…。やばい。みんなのヤンデレほんとに好き…最高でした…!!!もしも続きがあれば楽しみにしてます!別作も頑張ってください!応援してます! (2020年4月11日 18時) (レス) id: 9045735352 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - どんどん怖くなってゆく、、、、、まぁ好きな人に殺されるなら本望かな? (2018年10月27日 17時) (レス) id: 9f2d1964ce (このIDを非表示/違反報告)
Kako(プロフ) - 狂気の歯車は止まらないってわけですね…。 (2018年10月25日 18時) (レス) id: d79f67c83a (このIDを非表示/違反報告)
伊達。(プロフ) - りょうさん» 最後までご閲覧頂きありがとうございました!ラストとの落差すごいなって自分でも思ってたんですけど、楽しんで頂き何よりです! (2018年10月13日 17時) (レス) id: fe0d9e5760 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 完結おめでとうございますー!もう、ヤンデレ具合が最高でした!ラストはちょっとドキドキして...とにかく面白かったです!これからも頑張ってください! (2018年10月13日 11時) (レス) id: 60a3c2e8e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊達。 | 作成日時:2018年9月16日 14時