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*降谷side
夜中に喉が渇いて目が覚めた。
生憎、部屋には飲み物を常備しておらず、部屋を出て食堂横の自動販売機まで買いにでる。
夜も深いからあまり足音を立てないように…と気を配りながら向かった先には何故か明かりがついていて。
誰かが消し忘れて付けっぱなしになっているのだろうか?
中を覗くと椅子に腰かけていたのはAちゃんだった。
彼女は夕方に体調を崩して倒れたはず…回復するには早くても明日の朝かと思っていたが…頭を抑えながら何やら薬を手に持っていた。
夕方に倒れたっきり姿を見ていなかったから心配していたけれど、、どうやらまだ体調は回復していないらしい。
降「はい、これ」
『え』
自動販売機で買ったミネラルウォーターをAちゃんの前に差し出す。彼女は焦った素振りを見せたが、相手が僕と分かってか少し表情を柔らかくした。
声を掛けない方が良いかとも思ったが、、彼女の顔色があまりにも悪かった為に放ってはおけなかったのだ。
『…降谷くんッ…、、ありがとう、』
僕に慌てて薬を隠そうとするAちゃん。
降「別に隠さなくていいよ。何も思わないし、誰にも言わないから」
『あ、うん…』
恐らく、彼女が手に持っていたのは精神安定剤とかそういう部類の物だろう。
時々何かを思い出しては震えたり呼吸を荒くしている。それに気がついていなかった訳では無いが、、僕の出番はないと思って彼に譲ったつもりだったのだ。
……でも、、
『松田くんと口喧嘩みたいな事しちゃった…わざわざ目が覚めるの待っててくれたのに…なんか、本当バツが悪いよね私、』
彼女の寂しそうな顔。見てられないよ。何故こうなる。
『班長が私の事運んでくれたんでしょ?明日お礼言わなきゃ』
降「それ、誰が言ったんだ?」
『え?松田くんがそう言ってたけど…』
降「Aちゃんを運んだのは松田だよ。誰よりも先に気付いて駆け寄ってたけど。まぁ松田ならそう言うのも想像できるな」
器用なのは、どうやら本当に手先だけのようだ。
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初子(プロフ) - お久しぶりです!面白いので続きがとても気になっています! (2022年6月6日 22時) (レス) id: edceae0036 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:muhe | 作成日時:2022年5月22日 19時