3-36.ぶりっ子ちゃんの得心 ページ37
「質問返答いきまーす♪ まずは〜……『またタガメ食べてください！』『今度はサソリを食べてほしいです！』『昆虫食チャレンジ、シリーズ化して！』……こんな感じで、特にタガメさん関連のメッセージが多かったんだけどぉ……」
色白な顔をさらに白くさせながらカンペを読み上げた。あの日食べたタガメの味を思い出したのか、さっきまで緩んでいた頬がたちまち引きつっていく。
「も、もう食べないもん！ あれは、一時の気の迷いっていうかぁ……。ちょっとだけ、錯乱しちゃってただけなの♪ うん♪ でも……こんなに楽しみにしてくれてるなら、また頑張ってみようかな？ ……な、なーんて♡」
なんてことだ。あの可愛いりうむちゃんが修羅の道を辿ろうとしている。これはお魚さんの間で応援派と阻止派で分かれそうだ。わたしは後者よりだが、彼女の決めたことならどこまでもついていくつもりだ。
「次に多かったのは〜、ぶりっ子関連の質問かな♪ 『りうむちゃんはどうしてぶりっ子なんですか？』『元からぶりっ子なの？ それともキャラを作ってるの？』『ぶりっ子になったきっかけって？』」
りうむちゃんのぶりっ子が気になるのは、わたしだけじゃなかったようだ。この中にわたしの質問は混ざっていないが、胸を騒がせながら返答に期待した。
「えっとね……ゴメンね。ちょっぴり恥ずかしいから、ヒミツにしたいの。でも……全部はお話し出来ないけれど、少しだけなら」
ジンベーくんの尻尾をぎゅっと掴み、沈黙。そして手を離し、小さな握りこぶしをテーブルに置いた。
「ワタシね、変わりたいって思ったの。じゃあ、どんな風に変わろうかなって悩んだ時に一番に思い浮かんだのが、ワタシの大好きなある女の子なの。……亜久亜りうむは、その子をきっかけに生まれたんだ♪」
追憶にふけるような面差しで、長いツインテールの片方の房を指先でなぞると、あっと声を上げた。
「実は、こういう質問をもらったの♪ ――『りうむちゃんにとって、一周回って許せるぶりっ子とはなんでしょうか？』」
わたしの送った、質問だ。
「……うん。今なら言える。だって、その子が教えてくれたから♪ 言葉で言うと、案外簡単なんだよ♪ 実行しようとすると、案外難しいんだけどね♪ あのね、一周回って許せるぶりっ子っていうのは――」
――――。
確かに、言葉に表せば簡単だった。これでいいのかってくらい。
けれど、これでいいものなのかもしれない。
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やま(プロフ) - 面白いです、笑っちゃいました。 (2021年9月19日 13時) (
レス) id: 0eb68c7075 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - あ、真白と同一人物です！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
無気力に自信が有る人 - 思わず笑っちゃいました！しかも、なんか余計にクラスの人に�猜僂陛朖瓩辰道廚錣譴修Δ覆海箸鬚錣兇錣供帖帖帖帖�この小説凄く面白いです！ (2021年7月25日 17時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - 真白さん» ぶりっ子についてプレゼンする人なんてそうそういないですよね（苦笑） (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
豆の字(プロフ) - Rukia (ゆっくりゆる)さん» ありがとうございます！！一人一人の登場人物をこんなに丁寧に見てくださって本当に嬉しいです！（いつか名前も覚えていただければ大変恐縮です！）りうむちゃんのことも好きになってもらえて嬉しいです、ぜひ推してあげてください！ (2021年7月16日 18時) (レス) id: dee9e908a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆の字 | 作成日時：2019年12月7日 15時
