【HQ】ゴミ溜め四人衆、見参。【稲荷崎】

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「それでは意気込みをどうぞ」

「サーブで25点決めてスタメン入りします！かんぱい！」

「かんぱーい」

「究極の個人的目標じゃん」

「ええやん。やったれ」


宮侑の目標に乾杯をして、各々好きに食い始めた。


いつものテーブルの上に乗りきらなかったので、仕方なく食堂に移動して並べる。

食堂で4人しかいないと閑散とするから嫌だったのだが、これだけ騒がしいともう気にならない。


「イクラ！おいイクラ俺ンやから食うな！おい治！」

「ええやんか。ぎょうさんあるんやしい」

「サムお前それ自分がやられたらキレるくせに」

「角名唐揚げ自分ントコに寄せんな。俺も欲しい」

「あーじゃあそれ取って。枝豆揚げたやつ」



何度も言うようだがこの中でお行儀がいいのは三好くんだけなので、この二日間私はずっと彼と固まって座っている。

ここしか安全地帯がない、というかここがちょっとだけ治安がマシというか。

流れ弾は結構来る。



「これおいしいね」

「あ、そうだよね。私も好きこれ」

「鈴木ーッ。それ取ってー！」

「ヤバイ早く取って取って」



宮侑からご指名が来たので、とりあえず二人の分のミートパイを確保して皿を回す。

二度とあれが帰ってくることはないだろうから。



「鈴木ー、パピコあげる」

「今！？」



確保した分のミートパイをつまんでいたら、角名が急に隣に来てそう言った。


「いや俺2個もいらないし……」

「私は1個もいらないんだけど……」

「まあとりあえずあげる」

「いらないっつうのに」



それで、謎のパピコを貰い、男たちは本当に肉とお菓子を食らいつくし、宮侑がケーキを7等分できず喧嘩になり、7人で後片付けをして、夜8時になった。




「じゃあ、また明日。練習遅刻すんなよ」

「大会頑張りや〜。負けたらファミチキ奢って」

「襟んとこケチャップついとうよ」

「あ、言い忘れとった！あけましておめでとう！」

「そう言えば宿題終わらない……」

「早く帰って」



６人が好き勝手に適当なことを言うので、言いたいことはほぼ相手に伝わらなかった。

三好くんはまた笑って見守ってくれるだけ。



部外者3人を叩き出し、玄関で4人顔を見合わせて、ふう、と息をついた。





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