【HQ】ゴミ溜め四人衆、見参。【稲荷崎】

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3学期、一年で一番短いくせに2学期に負けず劣らずイベントがある。


例えばこないだの合唱コンクール。

例えば球技大会。

例えば、入試休み(イベント？)。



「USJ」

「ユニバな」

「USJ行こ」


多田がじっとり睨みつけてくるのを無視してスマホを見る。


「泊まり？」

「そんな金どこにある？」

「確かに……」



昼休みの廊下でスプーンを咥えたままチケットの予約を完了する。

そのとき角名が主張してきた。



「俺バースデーボーイ。1月25。こぞって祝えよ」

「ふ〜ん」

「へぇ」

「シール貼ってもらいな」

「反応薄」



角名は拗ねて麦茶を呷った。


それを全員が無視し、銀島が話題を変える。


「自分ら球技大会どれにした？」


3月中旬、期末試験の後に60期の学級委員が勝手に企画したクラス対抗の球技大会が開催される。

正直こちら(運動ができない文化部)からしてみればいい迷惑だが、流石に言わない。



「人に一番迷惑かけないからドッジボール」

「理由までご丁寧にどうも」



この球技大会は7種目(ドッジボール・バスケットボール・卓球・バドミントン・フットサル・バレーボール・ハンドボール)。

全員必ずどれか一つに参加する。

重複はなし。


もっともらしい理由を言っては見たものの、その種目の部活の方々が次々に決まっていって、要は余りである。



「自分らは？」



多田が聞くと、全員さも当然であるかのように「バレー」と答えた。

そりゃそうか。

これはもうバレーは5組(角名・宮侑クラス)と6組(銀島・宮治クラス)の独擅場だな。


球技大会について書かれた手紙の写真を眺めながら、思う。


ドッジボール終わるの11時だし昼前に帰ろうかな。適当に腹痛いとか言って。


それをそのまま呟いたら、宮侑が猛烈に反応してきた。



「は？お前らバレー見にこいや」

「えーやだよ。決勝4時じゃん」

「嫌や〜一緒に帰ろ〜球技大会終わりの黒豚コロッケ食お〜」

「……」

「ちょっと迷ったやろ今」



行くことにした。


夏休み以来、あの惣菜屋行けてないんだ。





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