よし、番外編へ行こう。と思った今日この頃。【文スト】 参。

BLACK IN CHRISTMAS・アニヲタ様リクエスト。 ページ43

そもそもクリスマスの元はイエス・キリストの降誕祭である。

まあ、それ自体は知っている人も多いだろう。ただイエスは十二月二十五日に生まれた訳でなく、ただ単にその誕生を祝うだけの日だ。そこらへんは勘違いしている人も多いのではないか？



──故に、



『断じてカップルが白昼堂々イチャついて良い日などではないんだ……！』

「うん、まあ、そりゃあそうなんだけどね」



太宰さんが隠れた片目をの奥からも読み取れるぐらいに、呆れた目で私を見た。なんだその顔は……。いや、だってその通りじゃないか。世の中にはどいつもこいつも勘違いしてる奴らが多すぎるんだ。年齢＝彼氏いない歴の私に見せつけてるとしか思えないね。

「なに、凪ちゃんキリスト教徒？」と太宰さんが大層面倒そうに訊いた。別に訊きたくないなら訊かなくていいと思うんですけど……。それにウチは法華経だ。真言宗とかそういうのは全く知らんけど。



『つか何でクリスマスなのに仕事あるんです？ マフィアだから？』

「別に凪ちゃんは今日来なくてもよかったんだけど、私が君と一緒にいたかったから」



歯の浮くようなセリフがさらりと太宰さんから出てくるが、ふむ、それはつまり意訳すると「道連れが欲しかった」つう訳じゃないかな。

そう訊ねると、彼は真意の読めない顔で「そうとも云う」といった。そうとしか云わねえよ。

はー、来年のクリスマスはせめて彼氏が欲しいなあ。……いや、別に彼氏とかじゃなくてもいいんだけどさ。ぼっちが嫌ってだけで。でも自分にとって大切な人と一緒に過ごしたいよねえソリャ。大切な人──が、できるかな。




『まあ、作ればいいですかねえ』

「ん−？ 何を？」

『へへっ、何でもないです。──今日は、ルパン行きましょうね！』




＋ ＋




『うわっ、なんか太宰さん寝ながらニヤニヤしてますよ……気持ち悪い……』

「すごく純粋な気持ちだとは思うんだけど流石に可哀想だからやめたげて」

『大体クリスマスに仕事ってどうなんです。労働基準法は守られてるんですか』

「守られてるわアホ。心配せずとも社長が未成年組にプレゼントをやると云っていたぞ」

『最高か？』

「サムズアップしないで」

「……っは！ 起きた！」

「そのまま寝てりゃア解体してたんだがねェ」

『イェ──ッ！ クリスマス最高ォ──！！』

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