届かない。 ・魔女猫様リクエスト ページ2
──その日。
──探偵社の調査員である、暁凪という人物が死亡した。
：：
ある者は咽び泣き。
ある者は何も云わず。
ある者は信じなかった。
彼女が死亡する瞬間に居合わせていたのは、奇しくも、この世界で初めて逢った人間──太宰であった。
事の発端は、��建物の屋上に人が居る��という通報だった。それに太宰と凪が向かった。
そして。
半狂乱になった、その死のうとした人物を庇って、落ちた。
与謝野によると、即死とのことだった。痛みは感じず死んだろうね、という与謝野の言葉に、誰も何も云えなかった。
太宰は遺体に縋りついた。あの時のように、消えてくれたらと願った。国木田が引き留めても、叫び散らして手がつけられなかった。何故、何故、何故。ひたすらに願った。
体が消えなかった。それはつまり──あの時のように、凪が生きている希望が持てないということだった。
抱きしめても、体は冷えて、血液は流れ出て行くばかりだった。
マフィアにも、その情報は伝達された。
後日、マフィアに敵対していた組織の殆どが壊滅状態に陥った。特務課が処理に唸る程に。
「──敦君」
名前の無い墓標が並ぶ、小高い丘。
其処で独り佇んでいた敦は、ゆっくりと振り向き、自分の名を呼んだ長身の男性の姿を確認した。
太宰さん、と名前を呼んだ。彼は微笑んでいた。
「今日も此処に来てたのかい？ 鏡花ちゃんが心配してたよ」
「──太宰さん」
敦は太宰の台詞にややかぶせ気味で云った。太宰が少し驚くと、敦は木の陰に座り込んだ。
叫びたくなるような、暑いあつい、快晴だった。
「僕、思うんです。彼女がまだ生きてるんじゃないかって──どっかで笑ってんじゃないかって。……随分と浮世離れしてたし、だから」
自分を説得させるような口調になってきた敦の頭を。
ぽん、と誰かの手が撫でた。
まるで彼女のように──でも、彼女ではないとはっきり理解してしまう。
敦は顔を隠した。
誰も何も云わなかった。
雲が空を横切り、また新しい雲が、彼らを見下ろした。
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もち明太子 - リクエストで原作の文ストの人たちとの絡みを見てみたいです (2022年8月30日 20時) (
レス) @page44 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
三斗(トリップ願望者) - ヴェルレエヌさんって一応生きてますよね。ってこと夢主とヴェルさん(ヴェルレエヌ)の絡みが見てみたい！ (2022年6月25日 11時) (レス) @page44 id: 9ad11557a3 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - リーフさん» コメントありがとう御座います！！やりたいですね(真顔)。凪は基本周りの全員を自分よりすごいと思っているのであんまりキレないですね(笑)。リクエスト書くのは非常に遅くなると思うんですがやらせていただきます……！ (2022年1月26日 16時) (レス) id: cabf6df670 (このIDを非表示/違反報告)
リーフ - 本編でもコメントさせていただきましたが…番外編も超面白いです。それで大変恐縮なんですが…凪ちゃんが太宰さんやらにガチギレしたのみたいです。なんか静かに怒る人ほど怖いアレ。リク大変失礼ですがお願いします！！！（土下座） (2022年1月20日 18時) (レス) id: 3fbf61d899 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 本当にありがとうございま！！感謝で！！あと、Twitterのアカ作ったのでフォローさせて頂きまし！！これからも応援してま！！本当に毎回毎回リク受け付けて下さりありがとうございます！！感謝しかないです！！ (2021年1月11日 16時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年1月30日 17時
