お礼なんていらない・マリサ様リクエスト ページ49
「乃公と、っ……! い、一緒に出掛けてはくれないか!」
『え、別にいいけど』
「そうか、やはり……っえ?」
『いやだから、いいけど』
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そんなこんなで始まったジイドとのお出かけ。何だこれ。いやいいよって云っちゃった私が云えないけど、
──何だこれ。
『ちなみにお前はどうして私を誘ったんでしょう』
「ヘンリーから女性にお礼の気持ちを伝えるにはデェトが一番だと聞いた」
『……お前デェトの意味判ってる?』
「いいや」
私は溜め息を吐いた。取り敢えずヘンリー君をぶん殴ることは今この瞬間に確定した訳だが、まあそれで一度はOKと云ったものを断る訳にはいかない。
はむ、とジイドが奢ると云ったスイーツを頬張りながら私は訊いた。
『如何したって、私にお礼を云いたいなんてことになったんだよ。大丈夫かお前の思考回路』
「大丈夫だ、最近は健康診断にも行っている」
『あそう……』
何か最近織田作さんの天然ぶりが此奴にも移っている気がするのだが。私は苦笑いをしながらもぱくぱくと目の前にある食料を腹の中へと収めて行く。
それに、とジイドは言葉を続けた。
「貴女程ではない」
『ほーんそれは良かっ……おい待てお前何つったもう一回云ってみろコラ』
半ばキレながら云えば、ジイドは少しキョトンとして何故怒る、と云った。
いや寧ろ何で怒らないと思うのかな? ん??
「己を殺そうとした相手と、こんな風に談笑できる者は中々……というか貴女以外に居ないと思うが」
私はちょっと首を傾げた。
『そうかな』
「そうさ」
そりゃ光栄だ、と軽く肩を竦める。
ジイドはそれに笑みを浮かべ、その手を私の頭へと移動させた。私が少し驚きに目を見張ると。
「こんな乃公を、光の方へ連れて来てくれた。貴女には幾ら礼を云っても、云い足りない」
何を云いだすかと思えば。
私はニッと歯を見せて笑った。
『いいってことよ!』
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ジイドさんにはちょっと辛辣な凪ちゃん。
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とあるアニメーター - マジですか!!!ありがとうございます!お願いします! (2020年1月21日 21時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - とあるアニメーターさん» へえーいいですねえ!やらせて頂きますとも、何かかなり滅茶苦茶な展開になりそうですが……(笑)。 (2020年1月21日 18時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
とあるアニメーター - そうですか!良かったです!リクエストで、そうだ、番外編作っちゃおう!と思った今日この頃の第3段を記念して…。みたいな感じで、今日この頃シリーズで出てきた文ストキャラ達をたくさん出してほしいです!こちらも長めになって良いので、よろしければお願いします! (2020年1月21日 18時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - とあるアニメーターさん» ええ勿論!ちょっと遅くなるかもしれませんが番外編もとうとう三!……ひええマジかあ。 (2020年1月21日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
とあるアニメーター - この番外編、続編行きますか? 続編作って頂けたら、またリクエストしたいです。 (2020年1月20日 21時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作成日時:2019年7月6日 21時