酒を浴びて・夜凪由姫 ページ48
『え? 何々、景光っつうんすかぁ?』
「そーそー! ヒロって呼んでくれていいぜ!」
ヒロさぁぁぁぁん、と呻くように名前を呼んで目の前のグラスを空にする。
勿論中に入ってるのは酒。
違法だって? 大丈夫、多分生きて来た年数は二十年。……いやまあ判んないわ。
何でこんな風になってるのかって云えば、長くなるから端折る。取り敢えず、なんかウィスキートリオって、友達が呼んでた気がするな。
「おい、ヒロ。流石に飲み過ぎや……」
「いいんじゃないか。丁度飲んでるのはスコッチだ」
「そうだそうだ、ゼロは心配性過ぎる。なー、そう思うよなぁ、……あれ、誰だっけ」
『凪ですよー、暁凪。まだ云ってませんでしたっけぇ?』
「云ってない、云ってない!」と首を振るヒロさんに、呆れたように溜め息を吐く金髪の、ええと。誰だ?
どんどん頭の中が曖昧になっていく。
「ん? こいつの名前?」
『あれ、よく判りましたねー』
「今声に出してたよ?」
私はううん、と喉の奥で唸った。待って、さっきヒロさんが呼んでた気がする。ああ、慥か。
『ゼロ! ゼロさんだぁ!』
私はマスターがまた入れてくれたお酒を呑んで、ケタケタと笑った。
体がぽかぽかする。お酒飲むと、こういう感じになるんだなあ。楽しー。
「正解! 良かったなあゼロ! こんな可愛い子に名前覚えてもらいやがって!」
「お前、本当に酔ってるだろ……! おい叩くな!」
「すまないな、凪さん、だったか」
どこか特徴的な目をした、端正な顔立ちをした男性が云った。
私は名前を憶えてくれたことが嬉しくて、はい! と返事をした。あれ、何かめちゃめちゃ精神年齢下がってる気がする。
そんな私を見て彼は、ふっと笑みを零した。
「……ライって、笑うんだ」
「……何だその言い草は」
少しむっとしたような口調で、ライさんが言葉を返す。「いや、別にぃ?」とヒロさんがニヤニヤしながら云った。
『もう一軒! もう一軒行きましょう!』
「おお! 凪ちゃんいけるクチか!」
「待てって、本当に……! おい!」
「いいだろう、たまにはこういうのも」
「お前は黙ってろ! おいヒロ! 暁さん! ったく、あいつら……!!」
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とあるアニメーター - マジですか!!!ありがとうございます!お願いします! (2020年1月21日 21時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - とあるアニメーターさん» へえーいいですねえ!やらせて頂きますとも、何かかなり滅茶苦茶な展開になりそうですが……(笑)。 (2020年1月21日 18時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
とあるアニメーター - そうですか!良かったです!リクエストで、そうだ、番外編作っちゃおう!と思った今日この頃の第3段を記念して…。みたいな感じで、今日この頃シリーズで出てきた文ストキャラ達をたくさん出してほしいです!こちらも長めになって良いので、よろしければお願いします! (2020年1月21日 18時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - とあるアニメーターさん» ええ勿論!ちょっと遅くなるかもしれませんが番外編もとうとう三!……ひええマジかあ。 (2020年1月21日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
とあるアニメーター - この番外編、続編行きますか? 続編作って頂けたら、またリクエストしたいです。 (2020年1月20日 21時) (レス) id: 6c92e05c62 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作成日時:2019年7月6日 21時