020 ページ24
*
その後、潔子ちゃんの買い出しが終わるのを待って、近くのファストフード店に入った。
「それで？何か迷ってるの？」
『…え！？』
彼女の第一声に、少し硬直した。
「この前の合宿で、青城の人たちおかしかったし、Aちゃんもいなかった。さっきのAちゃんの態度も含めると、何かあって、どうしようか悩んでるのかなって」
『…すごいね、潔子ちゃん』
彼女の観察力と、推察力はすごいと改めて気づかされる。
それに、悩んでいるだろう私を誘って話を聞いてくれる、優しさもピカイチだ。
『…実はさ＿＿＿＿』
私は、今までにあったことを全て話した。
所々省いているし、上手く伝えられたかは分からないが、彼女は真剣に聞いてくれた。
『＿＿それで、みんなと話したいとは思ってるんだけど、タイミングがつかめなくて…』
「そっか、大変だったんだね。でも、あのお店にいたってことは、まだバレー部に未練があるんだよね？」
『そう、だと思う…』
「それに、選手の人たちもAちゃんと話したいって思ってくれてる。だから、タイミングが、なんて怖がらなくていいと思う」
『怖がる…』
「みんなに会えば、自然と言葉が出てくるんじゃないかな」
ストン、と胸に落ちた気がした。
タイミングが、と考えているのは、ビビっていたからだったのだ。
今まで、教室に行くも、体育館に行くも、全部みんなの姿を見ずに逃げてきた。
まだ、彼らと、自分自身と、向き合えていなかったのだ。
『そっか……そうだよね。なんかスッキリした！ありがとう潔子ちゃん！』
「ううん、全然。またAちゃんと、体育館で会えるの楽しみにしてるね」
『うん！でも、試合では負けないからね！！』
「ふふ、私たちも。負けないよ」
そのまま、店でお会計をして潔子ちゃんと別れた。
明日、明日だ。
もう一度、みんなに会いに行こう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1437人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にも - ずっとずっと楽しみに待ってます (2020年8月12日 13時) (
レス) id: 61ca4dce83 (このIDを非表示/違反報告)
ぷるしーの。(プロフ) - おれんぴーさん» そうだったんですね…。私がそのような経験をしなかったので、少々強引な展開かもしれないです…。ですが、暖かく見守っていただけると幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2020年5月27日 12時) (レス) id: 58b9a3f90b (このIDを非表示/違反報告)
ぷるしーの。(プロフ) - 香奈さん» 暖かいお言葉ありがとうございます！恋愛編もよろしくお願い致します！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 58b9a3f90b (このIDを非表示/違反報告)
ぷるしーの。(プロフ) - ナシロさん» ありがとうございます！！完全な新章となる続編ですが、よろしくお願い致します！ (2020年5月27日 11時) (レス) id: 58b9a3f90b (このIDを非表示/違反報告)
ぷるしーの。(プロフ) - ？？？さん» コメントありがとうございます。確かにそのような経験をした方には都合がいい展開かもしれないです。ですが、そこは夢小説のご愛嬌と暖かく見守っていただけると幸いです。これからもよろしくお願い致します。 (2020年5月27日 11時) (レス) id: 58b9a3f90b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷるしーの。 | 作成日時：2020年1月22日 2時
