雨が147粒。 ページ9
車中、私は嗤っていた。
律を通じて聞いたE組の話を聞いたからだ。
「上手いぐらいに信じちゃうなんて、計画が進めやすいよ。」
「名前さん、盗聴するだけでよかったのですか?」
「いいのいいの。ありがとね、律。」
「これぐらい構いません!何かあればまた仰って下さいね!」
うん、と短く伝えると画面は黒くなった。
それにしても、赤羽君は本当に助かる。
中原名前を慕って、信じて。水嶋名前だとも知らずに。
嗚呼、可笑しくて可笑しくて仕方無い。
早く時は過ぎないものかと、心が踊る。
「早くテスト終わらないかな…」
「後少しだろ。」
私の呟きが聞こえていたようで、中也さんが云った。
私は、まぁ、そうなんですけどね、と。
「テストが終わったら、藤本が動くと思うんですよね。もう楽しみで楽しみで。早く潰したくて仕方無いんですよ。」
「藤本はいいが、財閥の方はどうなんだよ。」
「直ぐにでも潰せますよ。財閥の奴等、ポートマフィアが契約切った事に気付いて無いんでよ?」
「とんだ莫迦だな。それなのに、威張り散らしてやがんのか。」
「ええ。…本当に莫迦な奴等。彼処の人間は凡て消します。あ、其の前に…」
私は連絡先の『首領』を押して、電話を掛けた。
数コールすると首領は出た。
私は藤本に仕えている職人をエリスちゃん専属に出来ないかと頼むと、快く了承してくれた。
「有り難うございます。……ええ、…はい。では、失礼します。」
電話を終えると、携帯を鞄に戻した。
中也さんを見ると、何処と無く不機嫌そうだった。
「中也さん?」
「ンだよ。」
「何か怒ってます?」
「別に。」
其れ丈云うと彼は、頬杖をつき乍ら窓の外に目をやった。
というか、怒っているのが丸分かりだ。
私は機嫌を直して貰う為にも、或る事を思い付いた。
そして、中也さん中也さん、と彼を呼んだ。
「ンだよ。」
「此方向いて下さいよ。」
わーったよ、と振り向いた彼の唇に私は接吻した。
「はァ?!」
「怒ってたので、接吻したら機嫌直してくれるかなって思って。」
「悪かったよ。手前が俺に何も云わずに色々進めるからよ。」
「済みませんでした。以後気を付けますね。」
彼は、もっかい接吻したら赦してやる、と云ったので、再び接吻をした。
その後、御満悦の様で、中也さんは鼻歌を歌っていた。
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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時