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雨が170粒。 ページ37

私は両手で顔を覆った。莫迦過ぎて嗤いを抑えるのが大変だ。



抑えきれず、肩は揺れている。





「おい、中原大丈夫かっ?!」


「中原ちゃん!!」





皆が私に近付く。誰かが背中を摩ってくれている。



何で突き飛ばしたんだ、と藤本に誰かが尋ねた。






「コイツが…!」


「俺等が言えた事じゃないけどさ、流石にやり過ぎじゃないか?」


「中原ちゃん、何て言ったの?」


「っ私は、…本当に仲良くしたかってっ、…友達にっ、成りたかったって、」






態と涙声で話す。




私の演技力も中々じゃない?






「え、それだけで?ひどすぎない?」


「何で中原ちゃんにそこまでするの?中原ちゃん何もしてないじゃない。」


「だからそいつが!」


「言い訳なんて見苦しいよ、藤本。」






切り捨てる様に赤羽君が。彼が云った事がショックだったのか、藤本は黙ってしまった。





「さっきからわけ分かんない事言ってさ。名前が氷のアリスだとか。…お前、また嘘ついてたってこと?」





漸と気付いたの?遅いなぁ。



こんな奴(藤本)が氷のアリスな訳ないでしょう?裏切り者なのにさ。





「そんだけ嘘つかれてたら、もうお前信じられないから。」





赤羽君の言葉に無言で頷く者達。




まぁ、仕方無いか。藤本の自業自得だから。


それにしても、この殺伐した空気を如何しようか……。




「あの、」




私と太宰さんが入って来た時の様に、一斉に視線が向けられた。






「私が云うのも変かもしれないんだけど、…もうやめない?藤本さんを幾ら責めても、何も無いんだし。」


「……まァ、それもそうだな。此奴責めた処で何の利益も無ェ。此奴がやった事の事実も変えらんねェ。」






賛同したのは中也さんだった。そして、その後に先生達も。




納得がいかない人も居たようだが、取り敢えず、帰る事に成った。




勿論の事、藤本に話し掛ける者は誰も居なかった。




「腕、大丈夫か?」




車中で中也さんが心配そうに尋ねた。





「大丈夫ですよ、これ位。」


「頬の湿布は如何した。」


「ブタれました。」


「彼奴…」


「まぁまぁ。あ、腕の傷なんですけど、自作自演です。」


「は?……帰ったら説教な。」





其の言葉の通りに成ったのは、云う迄も無いだろう。

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ベベンべエエェェ - 何か自分が恥ずかしいデス… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
ベベンべエエェェ - 私誰かが憎しんでる顔とか、絶望してる顔大好きなんですよね…何時の間にかドエスになってたり… (2021年9月14日 21時) (レス) id: ce3d8a7ebf (このIDを非表示/違反報告)
永眠(プロフ) - あの、すみません。この次の小説にパスワードが着いていて、書かれてある通りに打ったり、コメントでみたパスワードを書いたんですけど、開けなくて。どうしたらいいですか? (2020年7月8日 13時) (レス) id: b1f570929b (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - 零魔さん» コメントありがとう!!そう言って頂けて、嬉しい限りです!ありがとうございます! (2018年3月16日 9時) (レス) id: fcb4695207 (このIDを非表示/違反報告)
零魔 - 凄い! (2018年3月15日 22時) (レス) id: 8e0c5fded6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:バンビ | 作成日時:2016年12月29日 14時

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