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今日は工藤君に子供達、そして博士と一緒にスキーに行くため、バスに乗っていた。
工藤君とは隣の席な為、話していると米花公園前のバス停から霞洲友和さんが入ってきた。



霞洲友和、よくお姉ちゃんから聞かされていた初恋の人で多分間違いないだろう。
つり目に、目の下にあるホクロが特徴の綺麗な人。鈴木さんの伯父、と工藤君から聞いているけど兄の方がしっくり来ると思う。



お姉ちゃんが…あんな奴じゃなくて、この人を選んでたらな、と思うと少しズキっとしたのは気の所為だろう。



普通私は人を呼ぶ時苗字で呼ぶが、彼だけは名前で呼んでみたかった。
名前呼びについては、普通にいいよ、と言われているので、ずっと名前呼びだ。



そんな友和さんは工藤君を見るや否や「あ、今日死んだな」という顔をしていた。
ふふっ…工藤君、あなた友和さんから死神認定されてるわよ。



友和さんがこちらに来ると同時に、鳥肌が立った。
もちろん、友和さんは関係ない。でも今、バス内に組織の…一員の匂いが…!



私は着ていたパーカーについていたフードを被って丁度こちらに来た友和さんの服の袖を掴む。



『哀ちゃん…?』


「友和さん…お願い、一緒に居てっ」



迷惑かもしれない…けど、此処には、この席には居たくないっ。
すると友和さんは私に手を差し伸べてくれ、手を繋いで一番後ろの座席の窓側に座らせてくれた。そしてその隣りには友和さんが居る。



恐怖心は消えないが正直、工藤君よりも安心出来た。
そしてバスが出発と同時にバスジャックまでもが起こった。



今日は厄日なのかしら…でもバスジャックよりも組織の一員の方が怖くて今の状況を把握するのは出来なかった。
この圧力(プレッシャー)は…あの人が、ベルモットがいるっ。



「お姉ちゃんっ……」


『……』



すると、突然友和さんが私の頭を撫でてきて、それに驚き私は友和さんを見た。
友和さんは私を安心させるかのように大丈夫だと私に微笑む。



『俺が君を守るから』


「!」




その言葉だけで…少しだけ…恐怖心が収まった。
多分この人は私がバスジャック犯ではない別の人物に怖がっているのだと気付いている。


それなのに…どうして、そんな言葉を掛けてくるの…




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Yuri(プロフ) - トカさん» 誤字報告ありがとうございます! (2月12日 16時) (レス) id: dfb9ab75d1 (このIDを非表示/違反報告)
トカ - (3)の「火事」が「家事」になっていますよ (2月12日 16時) (レス) @page38 id: e74bb02192 (このIDを非表示/違反報告)
詩乃ミザミ(プロフ) - お久しぶりの更新待ってました! (2022年4月8日 21時) (レス) @page39 id: 7be55d3740 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - さいっっっこう…と無意識に叫ぶほど最高の作品だと思います続き待ってます作者さん大好きです愛してます!! (2022年3月29日 12時) (レス) @page39 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - ((◎д◎))ァァァァァァァ いやー神!神作品とはこの事だ! 夢主かっけぇ、、、!続き楽しみにしてます!! (2022年2月14日 5時) (レス) @page39 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雄里 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Yuri_Asum  
作成日時:2021年5月6日 1時

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