仕返し ページ39
前原はどうやら、人は皆ああなのか、相手が弱いと見たら自分もああいう事をしてしまうのかと、恐怖と悲しみを感じたらしい。
恐らくだが、ここにいる全員がそれと同じものを感じたのだろう。
自分がE組じゃなければ、E組にどう接していたのかと。
『そんなの、要は人の気持ちの持ちようだ。相手が弱かったら自分が偉い、凄いと勘違いし見下すのか、それとも手を差し伸べるのか。
本来、人は平等であるべきなんでさァ。
若様…将軍様の言うように、上に立つ者は、下の者の気持ちも知っておかなきゃならねぇ。
それができるかどうかの違いだ。
ま、少なくとも、ここにいる奴らはアイツらと同じにはならねぇよ。』
私がそう言っても、どこか顔が暗いままの皆。どうしたものかと殺せんせーに目線を向ければ、殺せんせーの顔が物凄く膨らんでいた。
「仕返しです。」
「え?」
「理不尽な屈辱を受けたのです。力無き者は泣き寝入りをする所ですが…君達には力がある。気付かれず、証拠も残さず標的を仕留める暗殺者の力が。」
その言葉に、前原以外の目の色が変わる。
もちろん、私もそれに賛成だ。
何より面白そうだし。
「屈辱には屈辱を。彼女達をとびっきり恥ずかしい目に遭わせましょう。」
とても教師とは言えない発言だが、こういう先生だからこそ、私は好きなのかもしれない。
そして翌日。
あの後、結局特売に間に合いそうになかったため、先生をパシリに使って私の買い物は事なきを得た。
今日は昨日の屈辱を晴らすべく、あの二人が店に入ったところを見張っていた。
耳が良い私は、二人の会話を一言一句違わずに伝える。
それにしても、胸糞悪い話しかしねぇんだから嫌になる。
本当なら私が一発殴りにでも行きたい所なのだが、それじゃあ死人が出るということで止められ今に至る。
そして連絡を取りつつ、老夫婦に変装した渚と茅野さんが何の疑いもなくターゲットに接近した。
菅谷作の変装マスク。殺せんせーにはバレるが、あいつらにはこれで十分すぎるくらいだ。
「ヌルフフフ、首尾は上々のようですねぇ。では、作戦を開始しましょうか。」
そして予め奥田さんに頼んでおいた、とあるBB弾を銃に仕込み、渚達が動き出すのを静かに待つ。
それからは早く、コーヒーにBB弾が命中し、それを飲んだ二人は腹を下していた。
『さァて、私はあいつらつけますかね。面白そうなんで。』
そう言って屋根に飛び乗ると、店から出てきた二人を追いかけた。
135人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白猫 - まじで面白いです。更新楽しみにしています。 (2019年10月7日 16時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - 銀魂と暗殺教室のコラボ→神!!! つまりこの小説神!!!早く続きが読みたいです気になります!更新頑張ってください。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 沖野猫松さん» コメントありがとうございます!面白いと言って頂けて、とても嬉しいです!これからも更新、頑張りますね! (2019年8月20日 19時) (レス) id: 47c8e13314 (このIDを非表示/違反報告)
沖野猫松 - とっても面白かったです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 18時) (レス) id: 40ce46605e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藍夜 | 作成日時:2019年7月21日 21時