Episode147 ／ 忍者ＶＳ蜜月 ページ48
｢私、立会人を務めさせていただきますマスタです。｣
｢よぉ、久しぶり。四時試験の間ずっと俺を尾けてただろ。｣
ん？私にもいたのか？
いや…いなかった。
でも、ハンゾーの話では受験者一人一人についていたらしい。
『…マスタさん、私にはついてなかったですか？』
私が気づかなかったなんて、おかしい。
｢あ…406番は初日に見失ったと聞いています。｣
『…え。』 ｢なにやってんだよあいつ…｣
キルの呆れた声が聞こえたけどこの際無視だ。
心なしか正面の二人、マスタさんとハンゾーからもそのような視線を感じるが…。
『ま、始めません？』
｢そ、そうですね。それでは…はじめ！！｣
合図とともに私はハンゾーの後ろ側に回るために走った。
ハンゾーの目はゆっくりと動き、私の首を捉えた。
来る…
視界の端にハンゾーの手を捉えた時、地面を蹴って体を低くして前に飛んだ。
それと同時に三次試験でも使った、小型ナイフを上に投げる。
相手には見えないスピードで。
｢…！？｣
そして着地すると同時にハンゾーの腹めがけて膝を入れる。
さすが忍者！
一瞬息が詰まったものの、すぐに立て直して私の首に刀？を当てた。
｢今のうちにまいったと言った方が身のためだぜ？｣
『…私にだけ気を取られてちゃダメだよハンゾー』
私の声と同時に、ハンゾーの上からナイフが落ちてきた。
ハンゾーはそれを避けたが、二本避けきれず、頬と服を切っていた。
｢…いつ投げた？｣
『さっき？』
ハンゾーの目線が険しくなる。
ハンゾーはしっかりと右手の刀を構えた。
｢だが、俺には勝てない。諦めな｣
ハンゾーは刀を私に振り続ける。
その動きには一切無駄がなくて…戦いにくいなー
ハンゾーに近づいて手を出そうものなら切り落とされるだろう。
ならば…
8メートル程距離を取って、左向きに緩急をつけながら歩く。
ゴンやキル、イルミやネテロさんは特に驚いた様子はなかった。
まぁそうか。
肢曲で見せる残像の中に、私とテルのふたりがいる。
さて、ハンゾーはどうするかな？
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作者名：ろりお | 作成日時：2019年8月4日 10時
