目隠し少女と盗賊団 (ページ35)

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Episode134 ／最強のボディーガードページ35

｢はぁあ？救命ボートがない！？ふざけるなよオッサン！Aとゴンが落ちたんだぜ！？早く船戻せよ！｣

キルアは必死の形相で船長を揺さぶる。

｢そ、そんなこと言われましても…！決められた時間にゼビル島に着かなければ… ｢っ知るかよんなこと！！だったら早く救命ボートでもなんでもいいから出せよ！積んでんだろ普通っ！！！｣｣

早く、早くしなければ間に合わないかもしれない。
このやり取りをしている間でさえ、船は進んでいるのだ。

｢キルア、何があった｣

船長室に入ってきたのは、クラピカとレオリオ、そしてギタラクルとヒソカの4人。

｢Aが海で溺れてたんだ、ゴンが今それを助けに…っ！早く戻らなきゃ…｣

そのあとの言葉は続かなかった。彼もゴンと同様考えたくもなかった。

｢おいキルア、それって何分前のことだ｣

｢…ゴンが降りてから6分。Aはもっと前から落ちてる…｣

レオリオの質問にキルアが答えると、レオリオの顔はさらに険しくなった。

｢そりゃあまずいぜ。…急ごう｣

生きてる可能性が低い、そう続けようとしたレオリオは船長室の空気の重さに押し黙った。

すると入口で話を聞いていたヒソカが動いた。

｢今回のことはボクに非があるからね♦｣

そう言ったヒソカはトランプを船長の首へ当てた。

｢何が言いたいかわかるよね♥｣

つーっと船長の首から血が垂れる。

｢わ、わかった！分かったから！｣

涙目になりながら船長は舵を切った。

キルアは船長室を出て、船の先頭へと走る。

レオリオは、Aを寝かせるスペースを作りながらクラピカと手分けしてタオルやその他必要なものを探し回った。

｢いたっ！ゴン！！｣

Aを抱えたゴンを引き上げて、ゴンをタオルで包む。

何事か、と他の受験生も集まってきた。

｢A！おい、返事をしろ！｣

Aを寝かして、レオリオがその横に座る。
心肺蘇生をするべく、ノアの服を脱がせようとするレオリオに

｢おい、お前何やってんだよ。その女の子になにする気だ？｣

1人の受験生がレオリオに近づこうとした。

｢オレは医者志望だ！！死にそうなやつがいるんだ！助けんのが当たり前だろーが！！｣

そう叫ぶレオリオを見たギタラクルとヒソカはそれぞれがトランプと針を構えて、受験生を追い出した。

レオリオたちがいる部屋の扉の両サイドに座って受験生を威嚇するギタラクルとヒソカ。

彼らより強いボディーガードはいないであろう。