目隠し少女と盗賊団 (ページ24)

今日:67 hit、昨日:4 hit、合計:81,450 hit

Episode123 ／色が変わる目ページ24

次はクラピカの番だった。

｢今までに19人殺したが…19って数字はキリが悪くてイライラしてたんだ。うれしいぜ｣

そう言った男はめっちゃ弱そうだ。

見た目は分からないけど、レオリオが驚いていたから体と顔はやばいらしい。

でもオーラが弱いもん、クラピカがあんなのに負けると思えない。

それに…

『19人って別にすごくもなんともないし…』

｢俺もそう思う｣

｢…おめぇらどこで競ってんだよ…｣

ぼそっと呟いた言葉にキルが反応する。暗殺一家で育ってる私たちには特別驚くことでもない。

レオリオがなんか言ってるけど無視だ無視

クラピカの相手は言葉でクラピカを脅そうとしているのか、無駄に必要のないことばかりを述べる。

騙されちゃダメだよクラピカ…

そしてスタート同時に男は上に飛び上がってクラピカのいる床を殴った。

床には穴が開いたようだけれど、ウボォーに比べたら全然だ。

それなのに何で周りは息を飲んでいるのだろうか。

｢12本のクモの足をもつイレズミ！…あれはまさか｣

まさか…

蜘蛛の偽物がいるなんて…

念も使えない癖にふざけんなよ

｢オレ様は旅団四天王の1人、マジタニ。｣

『…馬鹿じゃねぇの』

周りの視線が私に刺さるが気にしない。

より濃い銀色へと目色が変化していく。
誰に見えることの無いそれは暗闇の中異様な輝きを放っていた。

あいつは旅団を侮辱した…許せない

そんな私の心情を代弁するようにクラピカは男をぶっ飛ばして戻ってきた。

緋の目を晒しながら。

以前団長に聞いたことがある。秘境の地で暮らしていた民族がいた。その民族は感情が昂ると目が緋くなると。その輝きは世界七代美色に数えられると言われているらしく、皆殺しで蜘蛛はそれを奪ったと。

クラピカ……彼の憎しみは大きなものに違いない

次の番はレオリオだった。

賭けの勝負でなんともだらしなく負けてしまった彼を見ていると、不思議と私の怒りは落ち着き、目色は元に戻った。

最近よく性格や人格が変わってしまうから、もう少し気をつけなければ。

目隠しがなければ…私の目の色は気味が悪いと思われてしまう

ゴンやキルにそんな風に思われるのは嫌だ