Episode113 / スシとは ページ14
試験会場へ戻ると、ゴンに怒られた。
「女の子一人で危ないんだから!1人で行動しちゃだめ!」
『…だいじょうぶだし…』
「大丈夫じゃないよ!ほら、火危ないよ」
私はゴンに何歳に見られているんだろうか。
これでも10歳だし
それに、念を使えないゴンたちよりは私の方が強いと思うんだけどなー
幼い+盲目=守る対象
ゴンの頭の中はきっとこんな感じなんだろうなー
もういっそのこと、目は見えるよ!って言いたい。
だって、ゴンは私が火を使うのは危ないからと言って私の分の豚まで焼いてくれている。
これじゃ試験にならないよーな…。
「こら!そこ!自分の分は自分でやらなきゃ失格よ!!」
ほら、試験官…メンチがこっちまで歩いてきちゃった。
「ごめんなさい!でも、この子目が見えないんです。」
ゴンが頭を下げてくれたので、私もそれに習う。
「そんなこと関係な…あなた、A?」
『あ、分かりますか?』
名前を呼ばれて顔をあげれば、きっと驚いているメンチの顔が想像出来た。
「…なるほどね。…いや、でもあなたなら火だって扱えるわね?」
『…えへ、まあ。』
なら自分でやりなさい、そう言い残してメンチは席へと戻って行った。
私のせいで怒られてしまったゴンに謝って、焼けた豚の丸焼きをブハラの元へと運んだ。
私が面識あるのは、サトツさんとメンチだけ。
ブハラとは初対面だし、どんな審査を受けるのか時になっていればすんなりと合格を貰えた。
簡単すぎて逆に怖い…
私の読み通り、次のメンチの試験は厳しかった…。
お題はスシ
私はジンについてジャポンに行った時に、食べさせてもらったことがある。
だからどんなものかは分かるんだけど…んー、あれほど美味しいものを私が見様見真似で作れるとは到底思えない。
ここで終わりか…来年受けなきゃだめなのかなー
それは嫌だ、と思い直し私は考えた。
魚はだめだ。こんな森の中で採れるものはきっとスシには使われないし。
必死に記憶を辿って、ジャポンで何を見たかを考える。
イカ、マグロ、エビ、サーモン…どれも魚介ばっかりだ。
本当にそうだった?
あ、カラアゲ、ってやつは魚じゃない。
あれは、お肉?
よし、さっきの豚で作ろう。
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作者名:ろりお | 作成日時:2019年8月4日 10時