目隠し少女と盗賊団 (ページ13)

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Episode112 ／針男の料理ページ13

｢二次試験は料理よ！！｣

聞いたことのある声で示された課題。

要するに、ブハラが出すお題の料理を作って合格をもらい、次にメンチの出すお題の料理を作って合格すれば二次試験は突破！ってことか。

｢オレのメニューは豚の丸焼き！！オレの大好物｣

誰かがぼそっと、共喰いだろ…と呟いていて大きく吹き出してしまった。
仕方ないと思う。

だってあの人、円に入る面積大きいもん

二次試験が始まると、みんな一斉に森へと走っていった。

私も早く豚を捕まえなきゃ、だ。

たたたっ、と森を走り抜けて少し広い場所に出ると何匹もの豚がいる気配がした。

そして豚は私に気づくとすごい勢いで向かってくる。

待って待って待って！！1回に6匹とか聞いてないし！

とりあえず木の上に登って様子を見ようとすると、豚は木に衝突してきた。

もちろん木は倒れます。

『うそでしょ…』

死ぬって！

再び追いかけてきた豚から逃げ回っていると、豚の気配がなくなった。

…否、正確に言えば亡くなった。

敵がいる。そう思って周りを警戒しながら止まると

｢Aも来てたんだ。｣

声をかけられた。

なんか、ｶﾀｶﾀ言ってた人だこの人。最初の一次試験の時に見かけて、びっくりした。
今も心なしか聞こえてくるし…。

でもこの人のオーラ…どこかで…？

『え…人違いですけど…』

やっぱり、私にこんな知り合いはいない！

｢は？…あぁ。お前なら分かると思ったけど｣

そういった針男はなにか顔から抜きながら私に近づいてくる。

これは逃げるに値します。

足を硬で強化してだっ、と駆け出す。

ついでにさっきの針男が倒してくれた豚を抱えて。

なんだっけ、漁夫の利ってやつかな？あれ違ったっけ…

なんて馬鹿な考えを巡らせながら、針男が追いかけてこないのを確認して二次試験会場まで戻った。

ていうか、あの針男料理できるんだろうか…。
なんか、シュール…

Aが去ったあと…

｢あいつ…殺す｣

姿を戻したのに逃げられて、戻し損となった針男…基イルミからは殺気が漏れていた。