第6話「太宰さん(後編)」夢主 ページ7
「先ず、此処は何処なのでしょう?」
「誰の家か、という趣旨なら私の家、と答えるが……そうではないようだね。此処はヨコハマだよ」
目の前で優雅に紅茶を嗜む太宰さんに私は思わず見とれてしまう。
……こんなにも綺麗な人なのに何故あまり笑わないのだろう。
などと一瞬考え、それから思い直し次の質問を投げかける。
「私の怪我はどうなったのでしょう。骨が折れた様に思いましたが……」
「焼き菓子は如何かな?……怪我、かい?嗚呼……そう、そうだった。それを答えると君のもう一つの疑問も解決されることだろう。」
そう言い、私にクッキーを勧めながら話し始める太宰さん。
曰く、まふぃあとやらには女性も居るらしく、その方達が診た時には腫れは既に治まっていて、念の為掛かりつけのお医者様にも診ていただいたけれど骨は折れていなかったそう。
「思うに……」と、太宰さんは続ける。
「君は異能力者で、君の異能は結界を張り
「……その通りです。私の異能力「女王の
「効果、とは?」
「私が脅威と認めた人物からの攻撃を異能だろうが異能で無かろうが全て反射させます。……私が得意とするのは守るべき人が居る場での防御。共闘には向かない上に此方からは攻撃を仕掛けられない。」
……詰まり、攻められなければ守れない、出来損ないの異能である。
「成程ねぇ。それで、話の続きだが……私は異能無効化の異能者だ。恐らく君は無意識のうちに自身の骨や内臓を“護って”いたのだろう。ソレが彼奴らの
「……成程。では……太宰さん……でしたっけ。貴方は一体、誰なのですか?何故助けて下さったのでしょう」
「私は太宰治。ヨコハマの闇社会を牛耳るポートマフィアの幹部の一人。助けたのは、君の異能の“噂”を聞きつけて部下に欲しいと思ったからだ。……勿論、入社試験の様なモノを受けて貰うことになるだろうが……どうかな。来てくれるかい?」
目の前の青年は、少し不安げな表情をしていた。
答えなど、はいしか無いと決まっているのに。
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業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時