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第39話「玩具」夢主 ページ40

「そういえば、太宰さんはなんで、そんな包帯ぐるぐる中途男なんですか?」
「太宰は激怒した。」

とあるよく晴れた日の事である。
外回りから帰ってきた私が社に入ると、そんな会話が聞こえてきた。

「………。」
「はっはっは!安心したまえよ、敦君。私は怒ってなどいない。いつか聞かれると思っていたからね。」

格好つけて敦くん__恐らくこの場合、敦くんと書いて玩具と読むのが正しいだろう__で遊び始める太宰さんを横目に、私は与謝野姉さま達と軽く言葉を交わす。
……すると、太宰さんは厨二病感満載な台詞を叫びだしていた。

「この【封印されし神の手(ジャッジメントイノセンスブラッディアルティメットエターナルダークネスカタストロフィーゴッド・ハンド)】のことを!!」
「完全にルビが迷子ですね。」

太宰さんの厨二病発言に、冷静にツッコむ敦くん。
今日も太宰さんは自由だ。

「!まずい……右手が疼く!」
「え、大丈夫ですか。色んな意味で。」
「いけない!世界はまだ浄化されるべきでは__」

変な役者スイッチ……改め、厨二病スイッチが入ってしまった太宰さんを眺めながら、私はナオミちゃんが淹れてくれた紅茶を飲む。
いつも通り、美味しい紅茶である。

「ククク……太宰、抗うことはないよ。それが神の意志なのだから。」
「なんかこの人のっかってきたーー!!」
「な__なにッ!二人共切支丹だったのか!?」
「国木田さん、真面目に受け止めないで!」

何故かノリノリで乱入する乱歩さんと真に受ける国木田さんを、敦くんはすかさずツッコんでいく。

「いやぁ、ツッコミがいるって新鮮ですね〜。遊ばれてるなぁ。いろはさんはツッコミ風味の生粋のボケですし。」
「今までいなかったからねェ……。国木田は素だけども。」
「平和ですねぇ。」

無意識ボケの国木田さんと新しい玩具で遊ぶ年長組二名を、私達はそんな会話をしながら、それぞれの好みのお茶を飲みながら、見守っていた。

そう、ただ眺めているだけなのである。

乱入こそしないが、止めもしない。
ただ、見守っているだけ。

今日も探偵社は平和である。

第40話「非番の日」夢主→←第38話「咎めぬ理由」夢主


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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時

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