第37話「依頼」夢主 ページ38
「そこまで云うなら見せて貰おうか、その能力とやらを!」
「おや、それは依頼かな?」
「失敗して大恥をかく依頼だ!」
「あっはっは、最初から素直にそう頼めばいいのに。」
「…素直?」
苛ついている刑事さんに、軽快に笑う乱歩さん。
私は呆れながら、疑問を口にした、その時…私の電話の着信音が鳴った。
「……!」
「もう、折角良い所なのに。いろは、マナーモードにしておくべきだよ。」
「こればっかりは乱歩さんの云う通りです……。すみません、一寸席を外しますね。」
私は微笑んでから、人気のない所まで行き、折り返し電話をする。
その相手は……__
「……要件は?」
『鏡花を送り込む。』
「…鏡花ちゃんを?」
__芥川さんである。
早速どころか挨拶もせずにさっさと本題に入った私に、芥川さんは厭そうな色を少しも見せずに淡々と返す。
確かに月下獣は強いが、夜叉白雪を使うほどでは、少なくとも現時点では無い。
『太宰さんを一人にせよ。』
思いがけない言葉に思わず聞き返した私であったが、芥川さんは矢張り声色を変えずに返す。
どうやら興味がないだけらしい。
「……太宰さん?何故?マフィアの狙いは人虎たる、敦くんの筈じゃ……__」
『その為には、太宰さんが厄介だと判断したまで。』
その芥川さんの言葉に、依然淡々と話す芥川さんに、私は怒りに顔を歪める。
「……私と敵対するつもり?芥川さん。」
『
「容易とかそうじゃないとか、そういう問題じゃない。私の護るべき者を襲うならば、敵対だって手段の一つとして何時も動いている、そういう警告のつもりだったのだけれど。」
私は冷酷な声色で、そう答えた。
『……こちらとて、貴様を切る算段は常に整っている。もしそうなれば……__』
「戦争、ね。」
『嗚呼。……依頼は以上だ。』
「……了解。」
私に伝えねばならない事を伝えた終えた芥川さんは、満足した様な声で、電話を切る。
これは太宰さんには伝えない方が良いだろう。
あの人、少しばかり演技は下手だから。
そんな事を思いつつ、私は何時もの笑顔を造り……敦くん達が居るであろう所へと戻ったのであった。
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業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時