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第21話「前職当てゲヰム(後編)」夢主 ページ22

「無駄だ、小僧。武装探偵社七不思議の一つなのだ、此奴らの前職は。」
「最初に中てた人に賞金が有るんでしたっけ?」
「そうなんだよね。誰も中てられなくて懸賞金が膨れ上がってる。」
「私はこのまま、二人だけの秘密にしておくのも良いと思います!!何か特別な関係って感じがするじゃないですか!!」

つまらなそうにする太宰さんに、私は飛びっきりの笑顔で云う。
けれど太宰さんには無視されてしまう。
まぁそういう時もある。
また次構って貰おう。

「俺は溢者(あぶれもの)の類だと思うが、此奴らは違うと云う。しかし、こんな奴が真面な勤め人だった筈が無い。」
「溢者に対しては殺意が沸くけど、まぁ確かに決して真面とは言えないね。」

私は盗み食いする太宰さんを眺めながら、そう答えた。

「…ちなみに、懸賞金って如何ほど?」
「参加するかい?賞典は合わせて__百万だ」

…敦くんの目の色が変わった瞬間だった。

「中てたら貰える?本当に?」
「自i殺主義者に二言は無いよ。」

その言葉に、敦くんは獲物を狩る虎の目になり、思いつく職業を片っ端から挙げていく。

役者と云われた太宰さんは嬉しそうな照れたような仕草をしていた。
……演技かかってて胡散臭い。
役者は役者でも大根役者の香りがぷんぷんである。

「……プライド、無いのかなぁ。」
「ナオミも丁度同じことを思っていた所ですわ、いろはちゃん……。」
「ちょッ……、そういうのは口に出しちゃいけないよ、二人共。」

そんな会話をしていると、国木田さんが呆れたように「だから本当は浪人か無宿人の類だろう?」等とほざいている。
今度は割と本気で殺意が沸いてくる。

「違うよ。この件では私は嘘など吐かない。」

静かにそう言い立ち上がる太宰さんに、私は微笑んだまま、後を追って立ち上がった。

「うふふ、降参かな?じゃ、ここの払いは宜しく。ご馳走様〜。」
「パフェ、美味しかったです!有難う!!」
「あっ!!」

私達が出ようとしたその時、谷崎さんの電話が鳴る。

「うン?ハイ。……え。依頼ですか?」

私達は、揃って探偵社に向かう事にしたのだった。





嘘を吐かないのはバレない自信が有るからなのか、バレても構わないと思っているのか。
それとも……本当は、暴いて欲しいのか。

太宰さんのお考えは、私には判らない。

だから、私は只付いていくだけ。

第22話「電話」夢主→←第20話「前職当てゲヰム(前編)」夢主


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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時

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