第20話「前職当てゲヰム(前編)」夢主 ページ21
敦くんの入社試験については割愛する。
入社試験は無事突破。
文句無しの合格だった。
……ただ、一個人としてはあれ程までの自己犠牲精神は如何なのだろうか、と思ったりもする訳だが。
其れはさておき、私は晴れて武装探偵社の新人となった敦くんに
「……いろはさん?」
「嗚呼……、御免。ちょっとぼうっとしてて。気にしないで。うーん……家具は此処かなぁ。あっちは商店街。まぁ今日は家具だけで良いよね。」
そんなことを話しつつ、店に入る。
すると、敦くんは店員さんに連れられて行った。
どうやらカモだと判断されたらしい。
……大丈夫かな。変なもの買わされなきゃ良いけど。
まぁ最も、私に助ける気はないのだが。
約一時間後、敦くんは大量の荷物を抱えて“うずまき”にて、くつろいでいた。
谷崎さんが敦くんに謝り、国木田さんで太宰さんが遊ぶという茶番の後、恒例の前職当てゲヰムが始まる。
「谷崎さんと妹さんは……学生?」
「おッ、
「どうしてお分かりに?」
お淑やかに聞くナオミちゃんに、敦くんは少し微笑みながら答える。
「ナオミさんは制服から見たまんま。谷崎さんの方も__齢が近そうだし、勘で」
まぁ二人は基本皆が分かる。逆に分からない人の方が珍しい程だ。
「やるねぇ。じゃあ国木田君は?」
「止せ、俺の前職など如何でも__」
太宰さんの言葉に、何時もの如く国木田さんは体を強張らせた。
「うーん、お役人さん?」
「惜しい。彼は元学校教諭なのだよ。数学の先生。」
少し考えながら答えた敦くんに、太宰さんは笑って解を説く。
国木田さんはというと、顔をしかめていた。
「へえぇ!」
「昔の話だ。思い出したくもない。」
納得した様な表情の敦くんに、太宰さんは笑って云う。
「じゃ、私といろはは?」
「お二人は……__」
敦くんは、答えようとして固まる。
「太宰さんは想像つきませんが……いろはさんは谷崎さん達と同じように学生じゃないんですか?」
「嗚呼……違うよ。」
私が答える前に、太宰さんが笑って答える。
「齢は多分同い年。けれど、私の前職は学生じゃないの。……さて、何時もの様にヒントを上げましょうか。……太宰さんと私の前職は、同じなの。」
私は微笑むが、敦くんは余計に分からなくなってしまったらしかった。
第21話「前職当てゲヰム(後編)」夢主→←第19話「夢の中にて。」中島敦/夢主
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
24人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時