↑50話↓ ページ10
→Aside←
A「えっと…恭弥?」
雲雀「…ほら、もういいでしょ。」
そう言って恭弥はあたしの手を掴み、台所から連れ出し廊下を進んでいく。
A「あっ!まだ紫さんの話聞き終わってないのに!!おい、恭弥…イテッ…((雲雀「……ないで…」…え?何て言ったんだ…?」
恭弥が突然立ち止まり、あたしは止まれきれずに恭弥の背中にぶつかってしまう。そんな時に恭弥がボソリと何かを呟いた。それが聞こえなかったあたしは恭弥に近づき耳を澄ます。
雲雀「…さっき紫さんが言おうとしていた事、まだ聞かないで。いつか、僕の口から教えてあげる。だからとりあえず、それまでその浴衣、ずっとAが持っていて。」
その浴衣というのは先程紫さんから受け取ったこの浴衣の事だろう。
恭弥はこちらを振り返らずにいつも通りの声で淡々と話す。
しかし表情が分からない為、どのような感情で話しているのかよく分からずにいた。
A「え!?でもこの浴衣、恭弥の大切なものじゃ…?」
雲雀「うん。だから大切に使って。大事に持っていて。…それが出来たらいつか教えてあげる…。」
あたしは慌てて言い返すが、恭弥は優しい笑顔で振り返って優しくそう答えた。
おぉ…恭弥ってこんなに柔らかい笑顔も出来るんだ…。
それにそんな優しく言われたら断れるわけないじゃないか…。
A「…分かった。ずっと大切にする。だからいつかきっと教えてくれよ?ほら、約束だっ!」
そう言ってあたしは恭弥に向かって小指を差し出す。
雲雀「…何?この手。」
恭弥は不思議そうにあたしを見つめる。
A「指切りだっ!日本では約束を交わす時、こうやるんだろ?」
雲雀「…。」
あたしがにっこり笑ってそう言うと少しだけ間を置いて恭弥も小指を差し出し、あたしの小指に絡める。
A「えーと…ゆーびきーりげーんまん、うーそついたらはーりせんぼん、のーますっ!ゆーびきった!…これで、約束を交わしたことになる!ちゃんと約束守ってくれよな!」
雲雀「…それはAにも同じ事が言えるの分かってる?…だから約束破ったら一万回殴って針を千本飲んでもらう事になるけど。」
A「!?指切りってそんなにバイオレンスな約束の仕方だったのか…!?」
し、知らなかった…;
雲雀「まさか知らないでやったの?…全く本当に馬鹿な子だね…。」
A「なっ、なんだと〜!?」
そう言いながらも恭弥はクスッと微笑みながらあたしを見ているのだった。
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黒ウサギ@リボーン再燃焼☆(プロフ) - 大福さん» 閲覧やコメントありがとうございます!一番好きだなんてとても嬉しいです!とても励みになります!これからも頑張らせていただきますのでよろしくお願いします!(*´∀`)/ (2017年4月7日 9時) (レス) id: 64106614c5 (このIDを非表示/違反報告)
大福 - めっちゃ良いところやん!!この小説一番好きです!!これからも頑張ってください!!(^^) (2017年4月7日 2時) (レス) id: a4cb61a9a8 (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ@リボーン再燃焼☆(プロフ) - 悠さん» 閲覧やコメントありがとうございます!喜んでいただけて光栄です!そう言っていただけると励みになります!これからも頑張りますのでよろしくお願いします!o(*゚▽゚*)o (2017年4月3日 20時) (レス) id: 64106614c5 (このIDを非表示/違反報告)
悠 - とっても面白いです!!これからも頑張って下さい! (2017年4月3日 20時) (レス) id: 49ea3e4c7f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ@リボーン再燃焼☆(プロフ) - 闇の道化師さん» 閲覧やコメントありがとうございます!楽しんでもらえて私も嬉しいです!応援、励みになります!これからも頑張りますのでよかったらまた見て下さいね!(^o^)/ (2017年4月3日 13時) (レス) id: 017ad6c40f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒ウサギ@リボーン再燃焼☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kurousagi/
作成日時:2015年9月12日 12時