「文スト」俺には貴方さえいれば…「男主」「中/原/中/也」

またきっと明日がくる.37 ページ37

「もう大丈夫か?」

コトリ、と目の前に水の入ったコップが置かれた。
吐いてから約十分。

胃も流石に落ち着いただろうと、俺は水を飲んだ。

　「すいません………
　床はもっかい俺がアルコール消毒しますんで……」


　「よいから、今は休め。」


でも、姐さんの家を俺のゲロで汚すなんて……


　「いや、やっぱりやらせて下さい。」

居酒屋のバイトでゲロ掃除はし慣れてるし。


　「はぁ………もうよい。わかった。
　それより、其方………」


いったいどんな夢を見たんじゃ。


　「………………」


なかはらさんには、黙っていて、くれます…か?


　「あぁ。」


　「…………………」


俺は紅葉姐さんに全部、話した。
俺が誰かに連れ去られて、そこにあの人が助けにきて……
俺を盾に酷いことさせられそうになって………
それで………


俺が死んで…………


　「………怖かった」


　「あぁ……自分が死ぬ夢など………
　嘸かし怖かったろうに……」


　「違う!」

違うんです………
本当に、怖かったのは………


　「俺のせいで………
　もし、なかはらさんが酷いこと、されてたら…
　もし!殺されることになってたら……!

　俺の、せいで……そんなことになったら……

　そう思うと……すごく怖くなって……」





俺は……俺が…本当にあの人のそばにいていいのか、わからなくなった……

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