【太宰治】今はただ生きたい。【文スト】 (ページ8)

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太宰side

どういう了見で私が激辛咖喱を食す羽目になったのか

Aの弁明では、どうやら織田作のことを考えていたら自分のものと間違えたらしい

しかし、間違えたのはすぐに気づいたらしい

つまりは確信犯である

A｢御免って。拗ねないでよ｣

太宰｢どこをどう見たら私が拗ねてるように見えるんだい？｣

A｢え？うーん…雰囲気｣

パクリ。

件の激辛咖喱を口に含んだA

汗ひとつかかずにもうじき完食しそうだ

太宰｢…今私が君に触れたら辛さに悶える姿が見えるのかな｣

ほんの嫌がらせだった

嫌がらせだが彼女はきっと喜んで受け入れてくれるだろうと思った

しかしそれがどうだ

近づいてきた私の手を見てAは驚き、飛び除いた

あれだけAという未完成な人間を人間たらしめてきたこの手を。

あぁ、そうか。なるほど

太宰｢…A｣

なんとなく察してはいた

どうにも変なのだ

Aは痛みがわからないが故か、頻繁に怪我をしていた

刺された切られたに気づかないこともしょっちゅうだ

だからいつでも身体は包帯だらけだし、傷跡も沢山あった

ナイフが刺さりっぱなしで会うこともしばしば…

まぁそれらの傷がまったく見当たらないのだ

目立つものは右手を覆う包帯のみ

私が去ってから怪我をしなくなったというなら分からなくもないが、Aに限ってそれはない

森さんからの手紙を鑑みても、答えは1つしか出てこなかった

太宰｢A。君は…既に死んでいるのだね…｣