#13 ページ14
Aside
医務室を出て、オフィスに入ると独創的な前髪をした少年と目が合った
昨日ここへ来た時は見なかった顔だ
私は少年を知らなかったが、少年は私の方を見て「あ。」と声を発した
「貴女が太宰さんの言ってた…」
どうやら太宰のポンツクがなにか言ったらしい
あまり私の知らないところで私の話をされるのは好きではないのだが…
まぁ少年の様子を見るに悪いことは言われていないようだ
ひとまず太宰を締め上げようと辺りを見回してみたが、姿が見えない
A「少年、太宰はどこに…」
少年「太宰さんなら今さっき出ていきましたよ」
そう言って扉を指さす少年
またしても私を置いて行くなんていい度胸じゃないか
だけど、後を追いかけるのはなんだか癪に障る
少し悩んだ結果、少年に私の暇に付き合ってもらうことにした
何も言わずに少年の肩に腕を回し、強制的に座って話せるところを求め連れて行く
その途中で後ろから服をクイッと引っ張られた
振りかえると不機嫌な顔をした愛らしい子がいた
A「やぁ、兎ちゃん。久しぶり」
「……鏡花」
名前…だろうか
兎ちゃんというのはどうやらお気に召さなかったらしい
A「失礼。それで…何か用かな?鏡花ちゃん」
鏡花「…私も行く」
A「私の暇つぶしに付き合ってくれるなら大歓迎さ」
おいで。と再び歩き出すと、鏡花ちゃんは少年と視線を合わせていた
一寸警戒されてしまっていたようだ
死んだとは言え、曲がりなりにも私はポートマフィアだ
致し方ない
A「そういうことでこの2人、借りてくぞ。眼鏡クン」
奥で眉を寄せていた男にそう声を掛けると、更に眉間に深い皺がよった
まだ若いのに苦労が多そうだ
眼鏡クン、もとい国木田くんは「勝手にしろ」というよな視線を向けてきた
それでは勝手にするとしよう
78人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ