箱の扉 ページ23
〜土方side〜
30分程の総悟の質問責めを経て、近藤さんは漸く解放された。
そこで透かさず、総悟は近藤さんに何かを手渡した。
それは、包装紙に綺麗に包まれた、丁度片手に収まる程の箱だった。
この程度のサイズの箱ならば、入っている物もかなり絞られてくるが…
というか、一体誰が…総悟か？
「総悟…これ何？」
「さあ、何ですかねェ。開けてみて下せェ。」
その発言で、一気に疑心を抱いた事だろう。
実際俺もそうだ。
意を決した様に、近藤さんは包装紙を丁寧に剥がしていき、中身を露わにしていった。
「こ、これ…」
ついに箱を開けた時、近藤さんは目を見開き、唖然としていた。
「近藤さん、一体何が入ってたんだ？」
そう尋ねた瞬間、総悟が中身を覗き見た。
総悟じゃなかったのか。
「ん？"鍵"ですかィ？」
「あ？"鍵"だァ？」
俺も側に行って中身を見た。
やはり総悟の言った通り、アクセサリーなんかで使われる様な"鍵"と"錠"が入っていた。
「総悟、これは一体誰から…」
「Aさんでさァ。今日来た時持ってたのを、隊服に着替えてる間にこっそり預かったんでさァ。」
「それ預かったんじゃなくて盗んでんじゃねぇか！」
Aさんが持って来た物だと知り、近藤さんへのプレゼントだというのは納得出来るが、その中身が"鍵"と"錠"というのが気にかかる。
事実を知った近藤さんの様子が気になり、ふと横を見た。
そこで思わず驚いた。
目を見開き、驚きと嬉しさが混ざった顔がそこにあった。…先程とは、全く違う顔だった。
そして、急にはっとし口を開いた。
「わ、悪い、俺部屋に戻るわ！あ、あと、暫く部屋に近づかないでくれ！良い時言うから！」
「あ、おい、近藤さん！」
俺達にそう告げ、全速力で自室へ戻って行った。
今の一瞬で、あの人に何が起こったのだろうか…
「行っちまいまやしたね。」
「にしても…何で鍵なんだ…？」
「さあ。でもあの反応を見るに、あの人には分かったみたいですぜ。…Aさんが鍵を選んだ理由を。」
あの人だから…あの2人だから、分かった事なのかも知れない。
それ程に、2人の絆は強い。
だが、いつ綻びるか分からない。
だから俺達は、その絆が壊れない様に、近くで見守りながら、支えていこう。
そう、心から強く思えた時間だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 284人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アルナ(プロフ) - ハニーさん» 返信遅くなってすみません。こちらにもコメントありがとうございます！最近色々なアニメに目移りしておりますが、近藤さん愛だけは健在です！ (2019年1月13日 21時) (
レス) id: 75328b6a43 (このIDを非表示/違反報告)
ハニー - 近藤さん大好き(*≧∀≦*) (2018年11月11日 9時) (レス) id: f040ea1a18 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 黒にゃんさん» 遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます。私も同意見です笑 最近私情でなかなか書けないのですが、これからも見てやって頂けると幸いです。是非これからも、宜しくお願いします！ (2018年9月8日 21時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
黒にゃん - いい話ですね。近藤さんには幸せになってほしいです！ (2018年8月31日 7時) (レス) id: 77c8698518 (このIDを非表示/違反報告)
アルナ(プロフ) - 桜華さん» コメントありがとうございます。どの話を選んでも、和んで頂ける様に頑張ってます！これからも作者共々、宜しくお願いします！私も銀魂2観たいなー笑 (2018年8月21日 22時) (レス) id: 5f5aa2a205 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アルナ | 作成日時：2018年6月23日 16時
