浮気されてるので浮気しました。[HQ]

33*新しい朝は変化を求める ページ34

いつもの朝と違う。

目の前には幼さの残る寝顔があるのだ。
…改めてマジマジと見るけどキレイな顔してる。


キレイな顔は全っ然起きる気無くて、遅刻ギリギリでの登校になった。


｢英、昨日から色々ありがとね。｣


｢ん。別に良いよ。
お前と俺は共犯みたいなもんだろ。｣


｢…フラれると思うけど、その時は慰めてね。共犯者さん。｣



英と階段で別れ、いつものように教室に向かうと矢巾が焦ったような顔で詰め寄ってくる。
それにクラスの友達も何だか色めき立っているから何事と首を傾げた。



｢及川さんさっきまでずっといたんだぞ…！
今日に限って来るのおせぇよ。｣


｢ほんとに？朝寝坊しちゃって…
及川さん、なにか言ってた？｣


｢Aまだかなぁってずっとニコニコしてたけど…そのニコニコが逆に怖かったよぉ…｣


｢ご、ごめんね、矢巾…｣



昨日の今日で直接教室に来るとは思わないし、ニコニコしてたって…
怒ってない…訳は無いと思う。


｢…その首…
昨日の部活でキスマークの話を及川さんしてたけど…誰かに付けられたの？｣


｢…誰も何も…及川さんにいっぱい付けられたから隠してるの。見えてる…？｣



絆創膏もしているし、髪もおろしているし
英にも見えない事を確認してもらった。

…見えない所に付けるなら良いけど学生の身としては見える部分に付けてほしくない。



｢いや、見えないけど。
及川さんと仲良くしてるなら俺としては安心。
Aは及川さん好きだしな。｣


ホントに安心した顔している…
知らず知らずに矢巾に心労を掛けていたのかもしれない。

さっき英にもらったキャラメルをあげた。


携帯にはお昼を共に食べようとの連絡が来ていた。
…怒ってないのかな…？


怖くないと言ったら嘘になるが、了承の旨を送信した。
英にも今日のお昼は別にと連絡し授業に勤しんだ。

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