第37話 ページ40
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お風呂から上がり、部屋へと戻ろうと縁側を歩いていれば、廊下にまで響き渡る善逸の声。
「鬼殺隊を!!舐めるんじゃねぇぇぇ!!」
…えっ、なに、こわ…。
恐る恐る扉を開けると刀を持った善逸が炭治郎に斬りかかろうとしていた。
『何してるの…』
「うわあ!A!助けてくれ!」
「てめぇ!この後に及んでなぁにAちゃんに助けを乞うんだよォ!」
『うわっ、ちょ、なに!?』
炭治郎に勢いそのまま力強く肩を掴まれ、バランスを崩せば倒れる身体。
『いった…』
「ご、ごめ…――!!」
『いや、私は大丈夫だけ…』
ど、と言ったところで、炭治郎の視線の先のものを、私も目に入れた。
急いで肌蹴た浴衣をバッ!と戻せば、それ…と炭治郎が指さす。
「A…どうしたんだ、それ、はァ!!」
「炭治郎ォォ!!おまっ、お前ぇ!い、今!Aちゃんの!おっ、おっ…!」
『…善逸、落ち着きなよ。炭治郎には"何も"見られてないから』
ね?とニコリと笑って善逸を諭せば、う、うん…と顔を赤らめて炭治郎を離す善逸。
『ほら、もう寝よう。みんな怪我してるんだし安静にしてなきゃ』
「そ、そそそうだね!じゃあAちゃん、俺の隣で…」
『伊之助、そっち側で寝るから詰めて』
「んあ?なんでわざわざ狭ェこっちに…」
『いいでしょ。ほら、寄った寄った』
シッシ、と軽く手で払う動作をすれば、渋々動いた伊之助。善逸が声にならない声を上げていたが、私は知らないフリをしておいた。
…炭治郎は何か言いたげだったけど、それを聞いてはあげられなかった。
――翌日。
家主のおばあさんが医者を呼んでくれ、4人まとめて検診して貰えば、私を除く3人はそれぞれ肋を折っていた。
『ほんと、それでよく動いてたね』
「Aは本当に何も無かったのか?」
『うん』
「でも随分咳き込んだりして酷くなかった?」
『あれは持病のものだから別に何ともないよ』
「俺も平気だ!」
『いや、伊之助こそ大人しくしてなよ。とりあえず、私は任務に行ってくるから…』
「「えっ!?」」
と、声を揃える炭治郎と善逸に思わずビクッと反応してしまった。
…突然揃って声を上げられたら吃驚するじゃんか…。
『な、なに?』
「Aちゃん、俺達と一緒に行動するんじゃないの!?」
『いや、その君たちが動けないから私は別行動に…』
「A!本っ当に気をつけるんだぞ!」
「おい!俺も連れてけ!」
…いや、君らは保護者か!
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時