第35話 ページ38
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鎹鴉の案内の元、辿り着いたのは藤の花の家紋の家だった。
「負傷ニツキ、完治スルマデ休息セヨ!」
「えっ?休んでいいのか?俺今回、怪我したまま鬼と戦ったけど…」
「ケケケッ…」
『(恐ろしい鴉だな……)』
と、家の前でうだうだしていれば、はい…と小さな老婆が出てきた。
夜分に申し訳ございません。と、炭治郎と共に挨拶をし、家に入れて貰えば、すぐに部屋へと案内された。
「暫しこちらでごゆっくりと…お風呂の支度をして参ります」
『ありがとうございます』
4人まとめて一部屋にぶっ込まれ、とりあえず荷物を片付けていれば、やべえ…と善逸が声を漏らす。
「どうした善逸?」
「炭治郎、伊之助…お前らなんでそんな普通なんだ…」
「え?」
「よく考えろ…こんな可愛い女の子と同じ部屋で過ごすんだぞ…!ドキドキしないわけねぇだろ!」
『……伊之助、寝る時私の隣で寝てね』
「は?」
「Aちゃんッ…」
下心丸出しの善逸に思わず呆れてしまうも、心のどこかでは"女の子扱い"されている事に少し喜ぶ自分もいた。
――少しすると、家主のおばあさんが、お風呂をどうぞ。と呼びに来てくれた為、3人に先に行ってもらった。
炭治郎が置いていった、禰豆子ちゃんが入った箱の隣に座り、彼女に話しかける。
『炭治郎はいい子だね。だから禰豆子ちゃんも素敵な子なんだろうなぁ…。善逸や伊之助もね、炭治郎とは違うけど、"いい人"って雰囲気があるんだよ』
…そう言えば、どことなく3人の雰囲気は近い感じがするんだよなあ。
同期だし何だかんだで仲良いからかな?
『いいなぁ…同期…。私も時透くんに会いたくなって来たなぁ…』
と、いつもぼんやりしている彼を思い出し、ふふっ、と笑いを零せば、カリカリ、と爪の音がした。
『ん?…あ、時透無一郎くんって言ってね、最終選別で同じだった子なんだけど、刀を持って2ヶ月で柱っていう、鬼殺隊の中でも1番上の位になった子なんだ。凄いよね、まさに才能だよアレは』
境遇とかがちょっと似てるから親近感沸いちゃってねー…と、時透くんとの思い出話をしていれば、廊下から聞こえてくる3人の声と足音。
「A、お風呂上がったぞ!」
「次行っておいで!」
『はーい』
そう言って着替えを持ち、私はお風呂場へと向かった。
…禰豆子ちゃんと喋ったけど(私が一方的に)、落ち着くなあ。やっぱ可愛いなあ。
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時