第15話 ページ17
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胡蝶に用があって屋敷に来たが、本人居ねぇし無駄足だったと舌打ちをしながら縁側を歩いていれば、ふと目に映ったのは上品な着物を着た女。
「(…なんかどっかで…)」
ふぅ…と息を吐き、じっと雪を見つめるその女。
「(別になんてことねえ、地味な…)」
女…。
ゆっくり振り返り、俺を視界に入れれば、キレイ。とただポツリと呟いたソイツ。
は?と思わず声を漏らせば、我に返ったのか、顔を赤らめて必死に謝ってきた。
『す、すすすみません!!あの、違うんです!』
「…あぁ、お前氷柱か」
『はひっ!ひゃい!』
「なんだ"ひゃい"って舐めてんのか」
『滅相もございません!!』
…黙ってりゃいいんだがなコイツ。
とは口にせず、こっちに来い。と手招きすれば、ビクビクしながらこっちに来る氷柱――名前は…
「A」
『は、はい!なんでしょう、て…、宇髄…さん…』
「今日暇だな?」
『えっ、あ、まあ…』
「じゃあ、」
付き合え、と手を引き歩き出せば、どちらへ…?と恐る恐る聞いてくるA。
「吉原」
『……私を売るつもりですか?』
「派手にぶっとばすぞ」
* * *
「奥さん、この定食2つ」
「はいよ!」
ちゃっちゃと注文を済ませてしまった天元さん。てか…
『(やっぱ顔綺麗過ぎるわ。何なのほんとこの人…カッコよすぎか無理…)』
…って、そうじゃない。何で私は吉原の和食屋に天元さんと来てるんだ??
「さっきから何だ。顔になんか付いてるか?」
『いえ…その、何故私を連れてこんなところに…?』
「ここの飯うめェからな」
『そうなんですね…。ってそうではなく…何故私を?』
「…時透が随分気に入ってるみてぇだから、どんな奴か気になった」
『…な、成程』
時透くんのお気に入り、という言葉にニヤリとしそうになりつつ、堪えていればご飯が運ばれてきたのでいただくことに。
『!美味しい!…です!』
「はは、そうかよ」
はじめは食べれるかなと思っていたが、あまりの美味しさにぺろりと食べ終えれば、行くぞ。と再び天元さんに連れられる。
辿り着いた先は、
『す、凄い…!吉原が一望出来る…!』
「だろ?俺と嫁しか知らねえ場所だ」
『ひぇっ…そ、そんな場所に…いいんですか…?』
「…何でだろうな」
『??わわっ…』
頭をくしゃくしゃと撫でられ、なんですか!と顔を上げれば、フッと笑った天元さん。
『(やっば鼻血出そう…)』
「(すげー間抜け面…)」
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時